今週の日経225先物は、ギャップダウンから調整一巡感が意識されてくる可能性はあるものの、決算発表がピークを迎えるなかで積極的なリバウンド狙いのロングを手控えさせそうだ。8月1日の米国市場では主要な株価指数が下落し、NYダウは5日続落で7月16日の直近安値を割り込み、6月下旬以来の水準まで売られた。 1日発表の7月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比7万3000人増と、市場予想(10万人増程度)を下回った。さらに増加幅は6月が14万7000人から1万4000人、5月が14万4000人から1万9000人へとそれぞれ下方修正された。7月のISM製造業総合景況指数は48.0と市場予想(49.5程度)を下回り、6月(49.0)から低下した。雇用統計などの想定外の結果を受けてトランプ政権の通商政策が米労働市場や世界景気に与える影響への懸念が広がった。 日経225先物は1日の取引終了後のナイトセッションで急落し、3万9900円と節目の4万円を割り込んで終えている。一時3万9730円まで下げ幅を広げる場面もみられており、日米関税交渉の合意が好感された7月23日の急騰分を埋めつつある。 週明けは米株安の影響からインデックス売りが膨らみやすく、シカゴ日経平均先物清算値の4万円にサヤ寄せする形で、ギャップダウンから始まることになろう。ボリンジャーバンドの-1σ(3万9500円)が射程に入ってくるとみられ、いったんはリバウンド狙いのロングを誘うことになりそうだ。ただし、同バンドを明確に下回ってくるようだと、7月23日の急騰分を帳消しにする形になるため、ショートが膨らむ可能性がある。 また、7月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見でパウエルFRB議長は早期利下げに慎重な見解を示し、不確実性は非常に多いと述べており、次回9月の利下げ期待が後退していた。ただし、米雇用統計の結果を受けて、再び早期利下げ観測が高まってきている。為替市場では日米の金融会合の結果を受けて、日米金利差を狙った動きから1ドル=150円台後半へ円安が進んだ。先週半ば以降は円安を手掛かりとした資金流入も観測されていたが、米国の早期利下げ観測の再燃によって現在は1ドル=147円台前半と円高に振れていることも手掛けにくくさせよう。 決算発表がピークを迎える。先週末には東京エレクトロン <8035> [東証P]の通期予想の下方修正が嫌気され、一時ストップ安水準まで売られ、日経平均株価を500円超下押す場面もみられた。今週はソフトバンクグループ <9984> [東証P]や三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]、リクルートホールディングス <6098> [東証P]などの発表が予定されており、日経平均株価への影響を見極めたいところである。 自民党は「参院選の総括と今後の党運営について」を議題に、8日に両院議員総会を開催する。参院選大敗の責任を追及するなかで石破茂首相の退陣圧力が強まっているが、辞任はないと考えられる。ただ、思惑的な動きから次期総裁への政策期待が高まる可能性があり、短期的なロングを誘う動きは意識しておきたい。 日経225先物は、ギャップスタート後は4万円を巡る攻防になりそうである。同水準での上値の重さが意識されるようだと、-1σに接近する場面もあると考えられ、まずは押し目狙いのロング対応に向かわせよう。下へのトレンドが強まる局面では、レバレッジ型ETFのヘッジ対応に伴うショートが下へのバイアスを強めてくる展開に注意しておきたい。 一目均衡表では、3万9000円~3万9300円に位置する雲上限を試す可能性もありそうだ。雲上限を支持線としたリバウンドが意識されるが、同水準まで下げてくると遅行スパンが実線を割り込んでくるため、テクニカルの下方シグナルを発生させる。シグナル悪化によって、4万円近辺では戻り待ち狙いのショートが入りやすくなりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万9500円から4万0500円のレンジを想定。4万円での攻防が続くようだと、3万9000円から4万円のレンジに引き下げる。 1日の米VIX指数は20.38(7月31日は16.72)に上昇した。週間(7月25日は14.93)でも大幅な上昇となった。先週は29日につけた14.70をボトムに25日線で攻防をみせていたが、週末の急伸によって75日線(19.35)、200日線(19.41)を一気に上抜いている。26週線が位置する21.36を上回ってくると、上へのトレンドが出やすくなり、市場心理を神経質にさせそうだ。 先週末のNT倍率は先物中心限月で13.83倍に(31日は13.97倍)に低下した。週間(7月25日は14.02倍)でも下げている。週初に200日線(14.02倍)、75日線(14.03倍)を明確に割り込み、週末には一時-3σ(13.83倍)を割り込んで、75日線(13.79倍)水準まで下げている。75日線までの下げでいったんは反転が意識されそうだが、半導体株の明確な底入れからの反転を確認するまでは、NTショートに振れやすい需給状況となりそうだ。 7月第4週(7月22日-25日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では15週連続の買い越しであり、買い越し額は1兆2557億円(7月第3週は2411億円の買い越し)だった。なお、現物は6023億円の買い越し(同1875億円の買い越し)と17週連続の買い越し。先物は6533億円の買い越し(同536億円の買い越し)と3週連続の買い越しだった。個人は現物と先物の合算で1兆1687億円の売り越しと7週連続の売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2110億円の売り越しとなり、4週連続の売り越しだった。 主要スケジュールでは、4日に米国6月製造業新規受注、5日に日銀金融政策決定会合議事要旨(6月16・17日開催分)、中国7月財新サービス業PMI、米国6月貿易収支、米国7月ISM非製造業景気指数、6日に6月毎月勤労統計、7日に6月景気動向指数、米国による日本への相互関税15%発動、イングランド銀行(BOE)政策金利、米国4-6月期非農業部門労働生産性指数、米国6月卸売売上高、中国7月貿易収支、8日にオプションSQ、6月全世帯家計調査、日銀金融政策決定会合の主な意見(7月30日・31日開催分)、7月景気ウォッチャー調査、自民党両院議員総会などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 08月限 日経225 35661.68 TOPIX 2510.68 09月限 日経225 36906.92 TOPIX 2585.41 10月限 日経225 39701.93 TOPIX 2721.72 11月限 日経225 39901.35 TOPIX 2765.26 12月限 日経225 39434.85 TOPIX 2738.68 01月限 日経225 39343.19 TOPIX 2726.70 02月限 日経225 39432.64 TOPIX 2775.06 02月限 日経225 39432.64 TOPIX 2775.06 03月限 日経225 36483.79 TOPIX 2684.98 04月限 日経225 32737.29 TOPIX 2418.70 05月限 日経225 37572.13 TOPIX 2733.00 06月限 日経225 38172.67 TOPIX 2776.06 07月限 日経225 40004.61 TOPIX 2830.46 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 25/09 08月01日 41110 41280 40580 40860 -340 25/09 07月31日 40660 41200 40480 41200 +540 25/09 07月30日 40880 40960 40560 40660 -150 25/09 07月29日 40960 41020 40570 40810 -100 25/09 07月28日 41340 41610 40910 40910 -450 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 25/09 08月01日 2947.0 2969.5 2927.5 2952.5 +3.5 25/09 07月31日 2924.0 2949.0 2912.5 2949.0 +26.0 25/09 07月30日 2915.0 2926.0 2896.5 2923.0 +10.0 25/09 07月29日 2928.0 2932.0 2902.0 2913.0 -14.0 25/09 07月28日 2943.0 2962.5 2926.0 2927.0 -21.0 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日大阪比 08月01日(09月限) 40000 -860 07月31日(09月限) 40765 -435 07月30日(09月限) 40640 -20 07月29日(09月限) 40640 -170 07月28日(09月限) 40795 -115 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 07月25日 918億円 -423億円 1兆5515億円 +3049億円 07月18日 1342億円 +774億円 1兆2466億円 -27億円 07月11日 568億円 -633億円 1兆2493億円 -1410億円 07月04日 1201億円 +184億円 1兆3904億円 -1005億円 06月27日 1016億円 -974億円 1兆4909億円 -1471億円 06月20日 1991億円 +137億円 1兆6381億円 -764億円 06月13日 1853億円 +1112億円 1兆7146億円 +960億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 07月30日 3227万株 +36万株 5億7865万株 -2282万株 07月29日 3191万株 +0.9万株 6億0148万株 -4447万株 07月28日 3190万株 +285万株 6億4596万株 -4316万株 07月25日 2904万株 -1024万株 6億8912万株 -1404万株 07月24日 3928万株 -159万株 7億0316万株 +4958万株 07月23日 4088万株 +11万株 6億5357万株 +8529万株 07月22日 4076万株 -32万株 5億6828万株 -643万株 07月18日 4108万株 +11万株 5億7472万株 +654万株 07月17日 4097万株 +244万株 5億6817万株 +592万株 07月16日 3852万株 +717万株 5億6225万株 +623万株 07月15日 3135万株 +390万株 5億5601万株 -594万株 07月14日 2744万株 +699万株 5億6196万株 -1605万株 株探ニュース
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