アジア株は軒並み上昇 中国支援策と米利下げ期待 米中対立激化は懸念材料 対中圧力強化 

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
アジア株は軒並み上昇 中国支援策と米利下げ期待 米中対立激化は懸念材料 対中圧力強化 

東京時間11:09現在
香港ハンセン指数   25528.49(+110.51 +0.43%)
中国上海総合指数  3826.98(+14.46 +0.38%)
台湾加権指数     24623.48(+128.90 +0.53%)
韓国総合株価指数  3214.08(+8.96 +0.28%)
豪ASX200指数    8830.70(-40.53 -0.46%)

アジア株は豪州を除いて上昇、弱い米雇用統計を受け米利下げ期待が一段と高まっている。中国の早期支援策期待の買いも続いている。ただ一方で米中対立再激化は懸念材料。また、弱い雇用統計は米景気減速につながる恐れがあり、利下げ観測も素直には喜べない。

先週末の米雇用統計は雇用者数が+2万2000人と予想の+7万5000人を大きく下回り、失業率は4.3%と約4年ぶりの高水準となった。労働市場の減速を受け利下げ期待よりも景気減速が懸念され前週末の米株は下落した。

あす公表される米国の雇用者数年次改定(2024年4月-2025年3月)で大幅な下方修正となれば50bp利下げ期待と同時に景気減速懸念が一段と高まるだろう。市場では40万人から68万人の下方修正が予想されている。ゴールドマンサックスは最大で2010年以来最大となる95万人減少の可能性を指摘。ベッセント米財務長官は80万人減少と見ている。

上海株は小幅続伸。中国当局が投機抑制を検討しているにもかかわらず前週末は大幅反発した。中国財政部と金融政策担当者が“ 異例”の会合を開催したとの報告を受け、当局が近く支援策を打ち出すとの期待が広がっている。

中国財政部は、より積極的なマクロ政策の実施を促進し、財政政策と金融政策を強化するために会議を開催したと発表した。アナリストは“ 異例”の会合は中国株式において強気相場の兆しになると見ている。株価急騰を防ぐための抑制を検討している当局にとって複雑な心境だろう。

一方で米中関係悪化は懸念される。ロシアが前週末にウクライナに過去最大規模の空爆を実施したことで、トランプ米政権はロシアに追加制裁、ロシア原油を購入している国に新たに制裁を科す準備をしている。欧州連合に対して対中圧力を強化するよう求めている。本日ブラジル大統領がBRICS首脳電話会議を開催し、中国習近平国家主席が演説を行う予定。米国とBRICSの対立激化も警戒される。

香港株は続伸。香港は金融政策を米国に連動させているため9月米大幅利下げ期待が高まれば、香港の9月基準金利50bp引き下げの期待も高まる。

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