【本日の見通し】米雇用者数年次改定暫定発表に注目

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【本日の見通し】米雇用者数年次改定暫定発表に注目
   
 昨日の市場は、週末の石破首相退陣表明を受けた円売りに148円50銭超えまで東京午前に上昇も、その後はドル売り円買いが優勢となった。次期首相候補の高市氏が積極財政論者で財政赤字警戒が広がったことなどが円売りにつながったが、10月4日の総裁選まである程度期間があり、候補者がまだ出そろっていないなどの理由から、影響が抑えられた。石破首相退陣の影響が落ち着いたことで、先週末の米雇用統計を受けたドル売りが再開。雇用統計の弱さを受けて9月の利下げがほぼ確実となり、一部で0.5%利下げが意識される状況。年内の利下げについても2回と3回で見方が分かれ、2回がやや優勢という状況から、3回の見通しが相当高いという状況まで見通しが変化しており、ドル売りが入りやすい状況となっている。
  
 そうした中、本日23時に予定されている米雇用統計の年次改定暫定発表が注目されている。米雇用統計は調査ベースでの推計値で発表されるが、1月の雇用統計が発表される2月初めの段階で、前年3月までの1年間の数字が、失業保険ベースの全体数による数字に変更される。夏ごろの時点で、その暫定値が発表される。今回発表されるのは2024年4月から2025年3月までの非農業部門雇用者数の暫定値。昨年2023年4月から2024年3月までは81.8万人の大幅下方修正となった。今回もベッセント財務長官は80万人の大幅下方修正になるとの見方を示した。市場の予想も50-70万人のかなり大規模な下方修正となっている。2年連続でのこうした大規模な下方修正が見られると、雇用市場がもともと弱かったとの見方に繋がり、9月の大規模利下げ期待や、年内3回の利下げ期待、さらには年明けも利下げが当面続くとの見方などに繋がり、ドル売りが広がると予想されている。なお、昨年は23時発表の予定が30分超遅延した。今回も前後する可能性がある点に注意。
  
 雇用の弱さが意識される中で、ドル売りが優勢になる可能性がある。ドル円は146円台を目指す可能性。
  
 ユーロ円などクロス円はドル主導になるとやや不安定な動きが見込まれる。ただ、ユーロ円に関しては昨日のフランス内閣不信任が重石となる可能性。173円台を中心とした推移から下を目指す動きとなるか。
 ポンド円は昨日東京午前に直近高値を超えて上昇後、いったん調整も、海外市場で再び200円台を付けた。その後再び売りが出ており、200円超えでの買いに少し慎重。今日は199円台を中心とした推移か。
  
 ユーロドルはドル安もあって比較的しっかり。フランスの政局混乱も現時点での影響は限定的。もっとも値幅は小さい。この後も1.17台中心の推移が見込まれる。
 ポンドドルはユーロドルよりは上がりやすいとみているが1.3600を試すだけの勢いがあるかは微妙。1.35台中心の推移か。
  
MINKABUPRESS 山岡

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