【通貨別まとめと見通し】ポンド円 先週のまとめ 英国のレイナー副首相は住宅購入における税金の過少申告問題で5日に辞任した。同問題を調査していた独立調査委員は規律違反があったと判断するとの結論を示していた。貧困階級出身で、介護職などを経て政治家に進んだレイナー氏は労働階級からの支持率が高く、スターマー首相にとっても右腕ともいえる存在であっただけに、影響は大きい。スターマー首相はラミ―外相を副首相に、移民問題が後手に回り批判を受けていたクーバー内相を外相に、移民強硬派のマムード司法相を内相に転換。支持率回復を狙うがかなり厳しい状況となっている。予算問題に関連するリーヴス財務相が留任となったことで、相場への短期的な影響は抑えられる形となった。 ポンド円はこうした政治的混乱への警戒を意識しつつ、先週前半は円安が優勢となって上昇。2日に200円27銭まで上値を伸ばした。しかし、秋の予算案をめぐる警戒感から一気に値を落とし198円33銭を付けている。その後少し戻して199円台を中心とした推移となっていたが、週明け、石破首相の退陣表明を受けた円安に、直近高値を超える200円35銭を付けている。もっとも200円超えのポンド買いには依然慎重で、ドル円の調整を受けて199円30銭台まで下げている。 テクニカル分析 - **レジスタンス**: 200.25 - **サポート**: 195.33円 ### 価格予測 - **短期目標(9月末)**: 186.34円(弱気見通し) 中長期見通し 2025年12月: 183.04円 2026年3月: 185.03円 今週のポイント 200円超えの買いに慎重。9日の米雇用統計の年次改定暫定値を受けたドルの動きは対円でより強く出る可能性が高く、大幅な下方修正を受けてドル円が下げる局面では対ドルのポンド買い分である程度打ち消されるとしても、上値の重い展開が見込まれる。 英予算をめぐる警戒については11月の予算案発表までくすぶりそう。スターマー政権は今回の副首相辞任で支持率を落としているとみられ、野党側からの攻勢が強まる可能性が高い。 こうした状況から、直近高値に近い力強い展開とはいえ、この後はやや上値の重い展開を見込んでいる。もっともドル円が上昇すると流れが大きく変わる可能性。ドル円が150円をトライし、ユーロ円が200円台半ばを超えてくると、もう一段の上昇がありそう。 主な予定 2025/9/11 8:01 英RICS住宅価格指数 8月 前回 -13% 2025/9/12 15:00 英月次GDP(前月比)7月 前回 0.40% 2025/9/12 15:00 英鉱工業生産指数(前月比)7月 前回 0.70% 2025/9/12 15:00 英鉱工業生産指数(前年比)7月 前回 0.20% 2025/9/12 15:00 英製造業生産高(前月比)7月 前回 0.50% 2025/9/12 15:00 英製造業生産高(前年比)7月 前回 0.00% 2025/9/12 15:00 英商品貿易収支 7月 前回 -221.56億ポンド 2025/9/12 15:00 英貿易収支 7月 前回 -50.15億ポンド MINKABUPRESS 山岡
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