[今日の視点]貴金属=反落、NY安を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、反落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安を受けて売り優勢とな
ろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク安を受けて軟調となろ
う。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は30.80ドル安
の3741.11ドル、銀が26セント安の4389セント、プラチナが8.97ドル
安の1469.03ドル、パラジウムは17.28ドル安の1204.79ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=148.80/81円で、前営業日の
大引け時点から0.78円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が1万8075円前後、銀は204.5円前後、プラチナ
は6635円前後、パラジウムは5700円前後。
【NY金はドル高で利食い売り】
 金はきのうの海外市場は、ドル高を受けて売り優勢となった。
 金はドル高が圧迫要因になった。9月の独IFO業況指数は87.7で、前月改定値
の88.9から予想外に低下した。市場予想の89.3を下回った。経済見通しが依然
として低調だった。一方、8月の米新築住宅販売は前月比20.5%増の80万件と
2022年初め以来の高水準となった。市場予想は64万9000件、前月は66万
4000件。ドル高に振れ、金ETF(上場投信)に利食い売りが出た。
 イスラエル軍は、パレスチナ自治区のガザ市中心部に向けて進撃を続けている。停戦
への希望を抱いてとどまっていたパレスチナ人住民の生命に危険が及んでいる。米政権
のウィットコフ中東担当特使は、パレスチナ自治区ガザでの停戦を巡り、「数日中に何
らかの突破口を発表できると期待し、確信していると言ってもいい」と述べた。トラン
プ大統領は国連総会に合わせ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、カター
ル、エジプト、ヨルダン、トルコなどの首脳や当局者らと会談し、ガザ情勢について協
議した。一方、イタリアのメローニ首相は、同国がパレスチナ国家を承認するのはイス
ラエル人の人質全員が解放され、パレスチナのイスラム組織ハマスが政府の役割から排
除される場合に限ると述べた。
 銀はきのうの海外市場は、ドル高や金軟調を受けて売り優勢となった。
【プラチナはドル高や金軟調が圧迫】
 プラチナはきのうの海外市場は、ドル高や金軟調を受けて売り優勢となった。
 プラチナはドル高や金軟調が圧迫要因になった。9月の独IFO業況指数が予想以外
に低下したことに加え、8月の米新築住宅販売が急増した。上海プラチナの出来高が減
少し、中国勢が高値での買いを見送ったことも上値を抑える要因である。
 ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)によると、医療分
野でのプラチナの需要堅調が伝えられた。2013年以降、医療分野におけるプラチナ
需要は年率3%と安定して増加している。2024年には医療分野のプラチナ需要は総
需要の4%を占め、4年連続で増加して9.6トンに達した。今年、医療分野のプラチ
ナ需要はさらに4%増加し、10.0トンに達すると予想されている。
<今日の予定>
・政策金利公表(スイス国立銀行)
・米国内総生産 2025年4-6月期確報値(商務省)
・米卸売在庫 2025年8月速報値(商務省)
・米耐久財受注 2025年8月速報値(商務省)
・米新規失業保険申請件数(労働省)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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