【中銀チェック】ともに据え置き濃厚=日銀金融政策決定会合とECB理事会 29日、30日に日銀金融政策決定会合とECB理事会が開催されます。 まずは日銀金融政策決定会合です。こちらは据え置きが濃厚も、利上げの期待が一部残る状況です。 24日の9月全国消費者物価指数(CPI)生鮮除くコアは前年比+2.9%とインフレターゲットである+2.0%を大きく超えて上昇する展開となっています。ただ、植田日銀総裁は基調的物価はまだ2%から遠いと、慎重な姿勢を崩していません。そうした中、前回9月の日銀会合では、田村審議委員と高田審議委員の両名が利上げを主張して反対するなど、日銀の中でも物価上昇を警戒する動きが広がっています。 前回の会合後は10月の利上げを期待する動きが強く、9月末時点の短期金利市場での利上げの織り込みは68%と据え置き見通し32%の倍以上となっていました。しかし、以前の発言で日銀の利上げに消極的な表現が見られた高市氏が首相に就任したことなどから利上げ期待が後退。直近では90%超が据え置きを見込み、利上げ期待が10%を割り込んでいます。 市場の注目は投票の内訳と、声明及び総裁会見での今後に向けたヒントとなっています。12月の利上げ見通しがほぼ50%と、据え置きと利上げの見通しが拮抗しています。1月までには利上げという見通しは90%を超えてきており、今回は見送りも、早期の利上げ実施との見通しが市場のコンセンサスとなりつつあります。 声明や植田総裁の会見で今後の利上げに前向きな姿勢が見られると円買いが入りそうです。田村、高田両委員以外に利上げを主張するメンバーが出てきても円買いとなります。ただ、実際に12月に利上げを実施する場合でも、今回の会見などではデータ次第との慎重な姿勢を維持する可能性が高そうです。 ECBは据え置きを完全に織り込んでいます。昨年6月に利下げを開始したECB。昨年7月の据え置きを挟んで、今年6月まで7会合連続、計8会合で利下げを実施し、預金ファシリティ金利は4.00%から2.00%となりました。その後7月、9月と政策金利を据え置いています。ラガルド総裁はデータを基に会合毎に政策を決定していく方針を繰り返し示していますが、経済やインフレ見通しリスクが概ね均衡とも発言しており、当面の据え置きを示唆しています。短期金利市場では99%が据え置きとなっています。来年に入っても当面は据え置きとの見通しが大勢。来年6月会合で初めて50%を超えています。もっとも1年後まで見ても利下げ見通しは60%台にとどまっており、利下げがすでに打ち止めとなったとみている見方も強いです。今回の注目ポイントはラガルド総裁の会見。利下げ打ち止め感が強まると、ユーロ高が期待されます。
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