日中取引開始後、原油の2026年4月限は下落。先週末に急伸した反動で売りが優 勢。 石油輸出国機構(OPEC)プラスは2027年から生産能力の基準に、最大持続可 能生産能力(MSC)を導入することを決定した。MSCとは、1年間持続できる生産 量で、一時的な生産の上振れ要因を排除した実際の生産能力となる。OPEC事務局に よると、ロシアやベネズエラ、イランなど制裁を受けて産油国を除き、米コンサルティ ング会社がMSCを算出する。2027年のMSC評価プロセスは来年1月に始まり、 9月に完了する。OPECプラスは、生産能力を更新するため、3月から毎年このプロ セスを繰り返す。 OPECプラスが減産のための生産枠を設定する際、生産能力(ベースライン)が産 油国にとってかなり重要な意味を持つ。実際の生産量よりもベースラインを高めの水準 に設定できるならば、協調減産による生産の減少を抑制可能である。このため石油収入 を最大化するためにベースラインを誇張する産油国が多く、ベースラインは政治的な混 乱を招いてきた。ただ、今後は第三者機関の介入によって、生産能力の粉飾が排除でき る見通し。 MSCが実際に利用されるのは2027年以降だが、生産枠やベースラインを巡る不 透明感が払拭されそうだ。今年4月からOPECプラスの主要8カ国は日量220万バ レルや同166万バレル規模の自主減産の解消を始めたが、MSCの導入に備えて現実 的な意味の乏しい減産枠を撤廃するための措置だといえる。主要産油国が自主減産の解 消を急ぐ理由がようやく明らかとなった。 時間外取引でニューヨーク原油1月限は前日比0.68ドル高の59.23ドルで取 引されている。本日これまでのレンジは58.83ドルから59.61ドル。 原油4月限の予想レンジは6万0300円から6万1300円、ガソリン先限は7万 4500円から7万5500円、灯油先限は8万5500円から8万6500円。 MINKABU PRESS
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