【これからの見通し】ドル円の一段の下押しに警戒、日米金利差拡大観測で

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】ドル円の一段の下押しに警戒、日米金利差拡大観測で

 この後の海外市場では、ドル円相場の一段の下押しに注意したい。きょうの植田日銀総裁の講演および会見では、12月会合で金利調節について議論されるとした。あくまでも緩和的政策の調整を進めるとのことで、利上げに対するストレスはあまり感じられなかった。円安がインフレに与える負の面についても言及されている。問題はタイミングといった印象だ。市場では1月利上げを本線としていたが、ここにきて12月利上げの可能性も高まっているようだ。債券市場などで利上げを織り込む動きが進んでいる。

 一方の米国については、先週までに12月利下げ観測が高まってきている。現時点でのCMEフェドウォッチでは12月の25bp利下げが87.6%程度織り込まれている。

 上記の動向を踏まえて、東京市場では日米金利差が拡大するとの見方が広がり、ドル円相場は156円台割れから155.40付近まで下押しされている。この後の海外市場ではNY勢が市場に本格復帰してくる。米製造業PMIやISM製造業景気指数(11月)などで一段と米利下げ観測が高まるようだと、ドル円相場も一段安となる可能性がありそうだ。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス、ドイツ、ユーロ圏、英国そして米国などの製造業PMI確報値(11月)が予定されている。その他には、トルコ実質GDP(2025年 第3四半期)、スイス小売売上高(10月)、英消費者信用残高(10月)とマネーサプライM4(10月)、インド鉱工業生産指数(10月)、米ISM製造業景気指数(11月)などが予定されている。米ISM製造業景気指数は、市場予想49.0と前回10月の48.7から小幅に上昇する見込み。

 発言イベント関連では、ディングラ英中銀委員の貿易会議出席が予定される程度。ロンドン時間にはスターマー英首相が演説を行う。米金融当局者は11日までブラックアウト期間が続く。きょうは米サイバーマンデーで、週末から引き続き年末商戦の気分が広がる。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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