【これからの見通し】きょうは米ADP雇用統計とISM非製造業景気指数に注目、ドルの方向性探る ドル相場の流れは11月後半以降、下向きとなっている。個別の通貨ペアでは日々、市場ごとに方向性が目まぐるしく変化する神経質な地合いとなっているが、ドル指数を俯瞰すると着実に低下してきている。12月の米利下げが市場に十分に織り込まれており、基調としてのドル売り圧力が定着しているようだ。 ドル相場に影響を与える材料の筆頭は米経済指標であろう。本日はADP雇用統計とISM非製造業景気指数、非製造業PMI確報値などが発表される予定。複数の指標結果が同様の方向性を示すようだと、ドル相場の反応も大きくなることが想定される。 現時点での市場予想を整理すると、11月ADP雇用統計は1万人増と前回の4.2万人増から一段と弱含む見込み。11月ISM非製造業景気指数は52.0と前回の52.4から低下する見込み。非製造業PMI確報値は55.0と速報値から変わらずの予想になっている。ADPとISMの方向性が悪化となっており、米利下げ観測の高まりとともにドル売り圧力となりそうな予想となっている。 その他にも、きょうはMBA住宅ローン申請指数(11/22 - 11/28)、輸入および輸出物価指数(9月)、鉱工業生産指数(9月)などが発表される。昨日や一昨日とは一変して米多くの米指標が発表される。ファンダメンタルズ材料に視線が集まることとなりそうだ。 そのなかで、ドル円相場は155円台を中心に一進一退の状況となってきている。今週は植田日銀総裁の12月会合での利上げ議論発言が円買いを誘った。また、ビットコイン急落などリスク回避の週明けとなったことも円買い圧力となった。しかし、ひとたびリスク資産動向が落ち着くと円キャリー取引が入り、ドル円・クロス円が下支えされる構図となっている。また、155.00と156.00にオプション行使価格が分散しており、上下の壁となりやすい面も指摘されている。 このような状況下で、米ファンダメンタルズ材料が明確な方向性を示すようだと、再びレンジをブレイクするきっかけになる可能性があろう。ただ、指標結果の方向性がハッキリしなければ、売買が交錯しながらの緩やかなドル安相場となりそうだ。 このあとの欧州・ロンドン市場では、トルコ消費者物価指数(11月)と生産者物価指数(11月)、スイス消費者物価指数(CPI)(11月)、フランス・ドイツ・ユーロ圏・英国などの非製造業PMI確報値(11月)、ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(10月)などが発表される。 発言イベント関連では、レーンECBチーフエコノミスト、ラガルドECB総裁などが会議や公聴会などに参加する。マン英中銀委員が準備通貨について講演を行う。米週間石油在庫統計が発表される。米企業決算はセールスフォース、ダラーツリーなどが注目される。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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