【これからの見通し】パウエル証言で利下げ観測再び勢いづく、きょうは米CPI発表

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】パウエル証言で利下げ観測再び勢いづく、きょうは米CPI発表

 昨日のパウエルFRB議長下院議会証言で、市場での利下げ観測が再び勢い付いている。証言では、「6月FOMC以降、貿易問題を巡る不確実性と、世界経済に対する懸念が引き続き米経済の見通しを圧迫しているようだ」 「インフレ圧力も抑制されたままだ」との認識を示した。これを受けて、市場では7月FOMC会合での0.5%利下げ確率が再び25%強に上昇している。きょうも上院でパウエル証言が実施されるが、内容に大きな変化はないとの見方が大勢。

 そのような中できょうは米消費者物価指数が発表される。今回6月の数字は前月比変わらず、前年比+1.6%と予想されている。前年比は前回の+1.8%から0.2%ポイント低下する見込み。一方、コア指数では、前月比+0.2%、前年比+2.0%とこれまでの伸びが維持される見込み。6月はガソリン価格が大幅低下しており、特殊要因との見方もでている。7月に入ってからの原油相場の持ち直しを見る限り、次回の数字は伸びペースが回復しそうだ。その他には、米新規失業保険申請件数(6日までの週)が発表される予定。

 また、きょうはパウエル証言以外にも米金融当局者の講演予定が多い。ウィリアムズNY連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、クオールズFRB副議長、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などの講演が相次ぐ予定。米債利回り動向をにらみながらドル相場が反応することが想定される。

 このあとのロンドン・欧州市場では、目立った経済指標の発表は予定されていない。ただ、金融当局関連のイベントは多い。英国では、英中銀金融安定化報告が公表される。そのあとにはカーニー英中銀総裁の会見が予定されている。欧州では、ECB議事録(6月5-6日開催分)が公表される。クーレECB理事やビスコ伊中銀総裁の講演が予定されている。英欧中銀はともに経済見通しを引き下げており、緩和トーンが前面に押し出される可能性があろう。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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