ドル買い優勢、ポンド売り主導で不透明な動きに=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル買い優勢、ポンド売り主導で不透明な動きに=ロンドン為替概況

 10日のロンドン市場は、ドル買いが優勢。欧州株や米株先物が堅調に推移しており、米債利回りも上昇。序盤を中心にリスク選好ムードも広がった。ドル円は108円台後半で一時108.72レベルまで高値を広げた。クロス円も買いが先行。ユーロ円は123円手前、ポンド円は138円台前半などへと上昇した。ただ、豪ドル円は東京市場からの売りの流れが継続し、上値が重かった。その後はポンド売りが目立つ展開になっている。この日発表された4月の英月次GDPや同鉱工業生産などが予想を下振れする結果となり、売りを誘った。さらに、ハント英外相など一連の次期首相候補者らがEU離脱に前向きな発言を行っており、合意なき離脱への不透明感が再燃している。ポンドドルは1.26台後半へ、ポンド円は137円台後半へと下押しされている。また、トランプ米大統領は、メキシコが合意事項をきちんと遂行しなければ、関税の復活もある得ると発言している。ただ、米株先物は時間外取引で底堅く推移しており、目立った反応はなかった。

 ドル円は108円台後半での取引。週末にトランプ米大統領がメキシコ関税を無期延期するとしたことで週明け東京早朝は108円台半ばへと窓開け上昇した。ロンドン序盤には欧州株高や米債利回り上昇の動きもあって、一時108.72レベルまで高値を伸ばした。その後はいったん108.50台まで沈んだが、108円台後半を維持しての推移となっている。米利下げ観測が高まるなかで、日銀の追加緩和を期待するムードも一部にはあるようだ。

 ユーロドルは1.13近辺での取引。前週末は米雇用統計が弱い結果だったことでドル売り圧力が広がり一時1.13台半ばまで上伸していた。週明けは米債利回りが上昇、ドルがジリジリと買い戻されている。ユーロドルもロンドン序盤には1.13台割れから1.1290レベルまで反落する場面があった。ただ、下値も堅く1.13ちょうど付近での小幅揉み合いとなっている。欧州株ではドイツやスイス市場が休場となっているが、その他の主要市場は堅調に推移している。また、市場筋によると1.1300レベルに相当額のNYカットのオプション期限設定があるという。

 ポンドドルは1.26台後半での取引。序盤には1.2725近辺まで買われる場面があったが、その後はユーロドルとともに売りが優勢になっている。この日発表された一連の英経済統計が弱かったことをきっかけに売りが強まった。4月の英月次GDPは前月比-0.4%と前回の-0.1%から下げが加速した。同鉱工業生産の落ち込みも顕著だった。市場では、EU離脱に関連する自動車生産の落ち込みの影響が懸念されていた。さらに、ハント英外相など一連の次期英首相候補者らがEU離脱に前向きな発言を行っており、市場には合意なき離脱を警戒するムードが高まっている。
  
minkabu PRESS編集部 松木秀明

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