きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となっている。週末ということでポジション調整の動きが主体だが、来週の米中通商協議に向けて中国当局が人民元高を誘導してくるのではとの思惑がドル売りを誘っている面もあるようだ。ニューヨーク・タイムズ紙が、米財務省が今後の米中通商協議で人民元を上昇させるよう中国に圧力をかけようとしていると報じたこともドルを圧迫している。 そのほか円高の動きもやや見られており、ドル円は軟調な値動きとなっている。トルコリラが再び下落していることがリスク回避の円高を誘発している模様。トルコの裁判所が米国人牧師の開放要求を却下した。米国によるトルコへの追加制裁の可能性が高まっており、トルコリラを押し下げている。 ドル円はじり安の展開が続いており、この日発表になったミシガン大消費者信頼感指数が弱い内容だったことを機に、一時110.30円近辺まで下落する場面も見られた。ただ、下値では押し目買い意欲も根強い中、心理的節目の110円を試しに行く動きまではまだ見られていない。 チャートは21日線で上値を抑えられた格好となっており、7月の中旬以降の下げトレンドからなお抜け出せないようだ。 一方、ユーロドルは1.14ドル台での推移が続いている。トルコリラが下落で戻り売りが強まり1.13ドル台に値を落としたものの堅調な動きとなっている。ただ、ユーロに関してはトルコ危機が沈静化したとしても景気回復の鈍さから、来年の夏の間中まで金利を据え置くというECBのスタンスには変化はないものと見られており、上値が重い展開を予想する向きは多い。 1.14ドル台に入ると上値を抑えられていたが、きょうは維持して終われるか注目される。1.1420/30ドルの水準は強い上値レジスタンスとなっている模様で、戻り売りオーダーも観測されているようだ。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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