[Vol.1095] 「パジャマ トレーダー」の3つのメリット

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米国の主要株価指数の反発などで。80.47ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,760.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年01月限は14,785元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年11月限は529.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで754.15ドル(前日比5.35ドル拡大)、円建てで2,756円(前日比20円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月12日 19時28分頃 6番限)
6,400円/g 白金 3,644円/g
ゴム 225.7円/kg とうもろこし 37,550円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「「パジャマ トレーダー」の3つのメリット」

前回は、「米雇用統計は第一金曜日とはかぎらない」として、米国の雇用統計の発表のタイミングとその時の米国の主要株価指数の値動きについて、書きました。

今回は、「「パジャマ トレーダー」の3つのメリット」として、日本時間の夜に取引をする日本人個人投資家「パジャマ トレーダー」(筆者命名)の利点を述べます。

ほんの数年前まで、日本の投資家を取り巻く環境は、多くの場合、「国内の取引所」「価格の単位は円」が一般的でした。しかし近年、米国株ブームが席巻し、環境が大きく変わったことは、言うまでもありません。

投資家のみなさまが、自ら考え、意思決定をしておられるわけです。この点は、日本国民の金融リテラシーの底上げという点で、日本の金融業界にとって大きなプラスと言えるでしょう。

こうした流れをさらに加速させるために、業界を挙げて、これまで以上に、さまざまな策を講じていく必要があると考えます。自ら考え、いち早く米国時間(日本時間夜)の取引に励んでいる「パジャマ トレーダー」の皆さんを助け、そうした投資家を増やす策が、まさにそれに該当します。

米国株やCFDなど、米国と関わりが深く、かつ、日本時間の夜の時間帯に取引ができる金融商品に関するサービスを、さらに、拡充することが必要でしょう。

また、夜の時間帯限定で取引手数料を割り引くキャンペーンを実施したり、米国在住の著名人(投資家・芸能人・YouTuberなど)とともに、米国の昼間(日本時間の夜間)にオンラインセミナーを実施したりすることなども、今どきの策として、有効ではないでしょうか。

「パジャマ トレーダー」が取引しやすい環境が広がれば、同トレーダーたちは、夜の自宅というリラックスした環境の中で、ゆっくり、深く、取引のことを考えられるようになります。この点は、投資家の皆さまの金融リテラシーをますます向上させることに、つながります。

普段はスマホでもよいかもしれませんが、相手にしている分野が、情報量が比較的多い傾向がある、投資の分野である以上、最低でも月に1回、2時間から3時間程度、パソコンを使って、ゆっくり、深く考える時間を設けることが必要だと、筆者は常々、考えています。(例えば、前回述べた「米雇用統計」の発表時間)

取引をしたり、考えたりする時間帯は、日本時間の日中だけでありません。情報収集や取引をするツールは、スマホだけではありません。夜の自宅のパソコンの前にこそ、収益機会や、ダイナミックでワクワクする値動きや、投資スキルを磨く機会があると考えます。

米国時間のリアルタイムの値動きにふれたことがない人や、夜にパソコンの前でゆっくり深く考える時間を設けていない人がおられましたら、取引はせずとも(もし取引をする場合は、長期の資産形成のための資金と別の資金で、リスク管理を徹底して行う)、是非、夜、自宅でゆっくり(パソコンで)、関連する米国株やCFD、国内外の商品先物などの値動きをご覧になってみて下さい。

図:「パジャマ トレーダー」の3つのメリット


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。