[Vol.1998] 80ドルを挟んだプラスマイナス15ドル

著者:吉田 哲
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原油反落。中東情勢の緊張緩和などで。66.31ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米主要株価指数の反発などで。3,331.92ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年09月限は13,665元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。25年08月限は518.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2025.22ドル(前日比85.88ドル縮小)、円建てで9,842円(前日比109円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月24日 18時40分時点 6番限)
15,605円/g
白金 5,763円/g
ゴム 297.8円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,024円/mmBtu(25年9月限 6月24日15時01分時点)

●NY原油先物 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物 日足  単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「80ドルを挟んだプラスマイナス15ドル」
前回は、「急反発する原油相場」として、NY原油先物(期近)日足終値を確認しました。

今回は、「80ドルを挟んだプラスマイナス15ドル」として、原油相場を取り巻く環境(2025年6月下旬)を確認します。

レンジ相場とは、下落圧力と上昇圧力に挟まれて生じる一定の上限と下限の間で価格が推移している状態のことです。原油相場は、2022年の年末から、80ドルを挟んだプラスマイナス15ドルのレンジで推移しています。

一時、中東情勢の緊迫化を背景に反発し、レンジのちょうど真ん中である80ドルに差し掛かりました。その後、反落したものの、レンジの加減の65ドル近辺で下げ止まっています。

下落圧力をかける材料には、緊迫化した中東情勢が和平に向かい始めたことや、関税戦争がもたらす世界景気鈍化懸念、OPECプラスの自主減産の縮小や、将来的な米国の原油生産量の増加(「掘りまくれ!」の現実化)、米国国内のバイオ燃料需要増加観測(ガソリンへの混合率上昇策)などが挙げられます。

次回以降、一時、イランの国会で承認されて一歩、現実に近づいた「ホルムズ海峡封鎖がもたらす世界経済を悪化させる懸念」について書きます。

図:原油相場を取り巻く環境(2025年6月下旬)
図:原油相場を取り巻く環境(2025年6月下旬)
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。