[Vol.1116] 農業に影響を与える「メタン」

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。81.25ドル/バレル近辺で推移。

金反発。世界的なインフレ懸念などで。1,863.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年01月限は14,145元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。21年12月限は519.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで771.9ドル(前日比0.6ドル拡大)、円建てで2,831円(前日比7円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月11日 17時51分頃 6番限)
6,795円/g 白金 3,964円/g
ゴム 224.0円/kg とうもろこし 39,200円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「農業に影響を与える「メタン」」

前回は、「メタンにも触手が伸びた「脱炭素」」として、 [Vol.1113] で示した、先週実施された4つの重要イベントを結びつける3つのテーマの1つ、「脱炭素」について、書きました。

今回は、「農業に影響を与える「メタン」」として、メタンの農業起因の、地域別排出量について、書きます。

[Vol.1115] で示したとおり、世界の人々(わたしたちを含め)がお米や肉、乳製品を食べることに、温室効果ガスの一つである、メタン(CH4)が関わっています。下図は、メタンの「農業」起因の、地域別の排出量を示しています。

農業分野起因のメタン(CH4)排出で最も多い地域は、アジアです。詳細なデータを参照すると、アジアの地域の中でも、北緯0度(赤道)から30度程度の地域、つまり、インドや中国(南部)、パキスタン、バングラデシュ、そして東南アジア(ミャンマー、タイなど)の国々からの排出量が多いことがわかります。稲作を大規模に行っているため、水田からの発生量が多いと考えられます。

アジアに次いで多いのが、中南米(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイなど)です。牛や豚などの家畜の頭数が多いことが、理由に挙げられます。

アジアのお米も、中南米の食肉も、スーパーマーケットに行けば容易に購入することができ、口にすることができます。こうした食材がメタン(CH4)と関わりがあるわけです。

先週、COP26のリーダーズ・サミットでバイデン米大統領が提言した、「メタン排出量の削減」が、進めば、こうした地域の農業が衰退する可能性があります。そうなれば、影響を受けた各種品目の供給が減少する懸念が強まり、当該品目の価格が上昇する可能性があります。

図:メタン(CH4)の「農業」分野起因の地域別排出量 単位:百万トン(二酸化炭素換算)


出所:Climate Watchのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。