[Vol.1115] メタンにも触手が伸びた「脱炭素」

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。84.20ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,828.05ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年01月限は14,080元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。21年12月限は538.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで764.65ドル(前日比4.75ドル縮小)、円建てで2,788円(前日比15円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(11月10日 17時31分頃 6番限)
6,624円/g 白金 3,836円/g
ゴム 220.7円/kg とうもろこし 38,500円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「メタンにも触手が伸びた「脱炭素」」

前回は、「「サウジ1,000万バレル増産」報道」として、 [Vol.1113] で示した、先週実施された4つの重要イベントを結びつける3つのテーマの1つ、「原油」について、書きました。

今回は、「メタンにも触手が伸びた「脱炭素」」として、 [Vol.1113] で示した、先週実施された4つの重要イベントを結びつける3つのテーマの1つ、「脱炭素」について、書きます。

いよいよ「脱炭素」は新しい段階に入りました。「メタン」が、積極的に削減するべき、温室効果ガスとなることを、バイデン米大統領が提案したためです。「メタン(CH4)」は、以下の通り、二酸化炭素(CO2)に次いで排出量が多い、温室効果ガスです。

Climate Watchのデータによれば、排出された温室効果ガスのうち、二酸化炭素(CO2)が74.5%、メタン(CH4)が17.0%、一酸化二窒素(N2O)が6.3%、その他(フロンガスなど)が2.3%でした。(2018年時点 いずれも二酸化炭素換算)

大気中に残存する年数や、海水などに吸収される度合いが異なるため、単純比較はできませんが、「どれだけ温室効果があるのか」について、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、地球温暖化係数という目安を示しています。

これによれば、メタン(CH4)の温室効果は、二酸化炭素(CO2)の25倍です。二酸化炭素に比べて排出量が少ないとはいえ、決してメタンを軽視することはできないでしょう。さらに温室効果が高い一酸化二窒素(298倍)を含めて考えても、排出量削減が望まれる温室効果ガスが、二酸化炭素だけではないことが分かります。

このメタン(CH4)ですが、どこで排出されているのでしょうか。下図より、わたしたちの生活に密接な、「食」に関わる分野からの排出が、最も多いことがわかります。

メタン発生源の主要分野は農業です。微生物の活動によって水田の泥から発生したり、家畜の反すう運動(げっぷ)や、排泄物から発生したりします。

世界の人々(わたしたちを含め)が、お米や肉、乳製品を食べることに、メタン(CH4)が関わっているのです。

図:メタン(CH4)の起源別排出量(2018年) 単位:百万トン(二酸化炭素換算)


出所:Climate Watchのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。