[Vol.1147] 黎明期の脱炭素は原油相場を押し上げる

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。76.15ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,805.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年05月限は14,800元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年02月限は493.5元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで838.65ドル(前日比4.25ドル拡大)、円建てで3,094円(前日比1円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月29日 16時52分頃 6番限)
6,660円/g 白金 3,566円/g
ゴム 237.4円/kg とうもろこし 39,820円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「黎明期の脱炭素は原油相場を押し上げる」

前回は、「株と原油は「一蓮托生」の関係」として、近年の主要株価指数と原油相場の関係について述べました。

今回は、「黎明期の脱炭素は原油相場を押し上げる」として、2020年に本格化したばかりで、まだまだ黎明期・過渡期といえる「脱炭素」が、原油相場にどのような影響を与えているのか、筆者の考えを述べます。

以下は、2021年に見られた、黎明期・過渡期の「脱炭素」が与えた、社会への影響です。

黎明期・過渡期の「脱炭素」は、エネルギー、農産物、金属などの価格を押し上げ、電力価格高やコストプッシュ型のインフレを引き起こしたほか、覇権争いを激化させたり、生き残れない企業を増加させる不安を拡大させたりしました。

実際に、2021年は、年平均ベースでさまざまな分野の銘柄の価格が上昇しました。

[Vol.1141] 「2022年」の全体的な方向性についての考察」で述べた通り、2022年に起き得る事象が、2021年を踏襲するのであれば、そうした事象からの圧力に影響を受ける価格動向もまた、2021年を踏襲し、2022年も、全体的な年平均ベースの上昇が発生する可能性があります。

つまり、「脱炭素」が黎明期・過渡期であることに変わりがなければ、原油相場もまた、上昇する可能性があるわけです。

図:黎明期・過渡期の「脱炭素」が社会に与える影響

出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。