[Vol.1141] 「2022年」の全体的な方向性についての考察

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。68.61ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,797.15ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は14,270元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年02月限は454.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで867ドル(前日比1.2ドル縮小)、円建てで3,113円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月21日 17時26分頃 6番限)
6,545円/g 白金 3,432円/g
ゴム 228.9円/kg とうもろこし(まだ出来ず)

●NY原油先物(期近) 月足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「「2022年」の全体的な方向性についての考察」

前回は、「2022年とは?」として、2022年の各種コモディティ価格の動向を考える上で、2022年がどういう年になりそうか、という問いについて、筆者の考え方を述べました。

今回は、「「2022年」の全体的な方向性についての考察」として、2022年の各種コモディティ価格の動向を考える上で、モデルになり得る2021年が、どういう年だったかについて、筆者の考え方を述べます。

パリ協定で約束した、各国の温室効果ガスの削減目標の期限は、2030年から2050年くらいです。また、国連で策定された持続可能な開発目標「SDGs」は、2030年を期限としています。

こうした環境や社会を改善する、長期的なプロジェクトの期限はまだ先です。そして、2020年を元年とすると、2022年は3年目であり、まだ序盤と言えます。このように考えれば、2022年は急激な変化が生じるよりも、2021年を踏襲する可能性の方が、高いと考えられます。

また、2021年がどのような年だったのか(12月17日まで)を、年平均ベースの騰落率で確認すると、以下の図のとおり、多くの銘柄が、2020年を上回っていることが分かります。

2022年に起き得る事象が、2021年を踏襲するのであれば、そうした事象からの圧力に影響を受ける価格動向も2021年を踏襲し、全体的な年平均ベースの上昇が、2022年も発生する可能性があります。

図:年平均ベースの騰落率(2020年vs2021年 2021年は12月17日まで)


出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。