[Vol.1146] 株と原油は「一蓮托生」の関係

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。75.75ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反発などで。1,810.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年05月限は14,660元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年02月限は491.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで844.75ドル(前日比6.25ドル拡大)、円建てで3,100円(前日比17円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月28日 11時12分頃 6番限)
6,676円/g 白金 3,576円/g
ゴム 233.2円/kg とうもろこし 40,560円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「株と原油は「一蓮托生」の関係」

前回は、「超長期的には銀が面白いか」として、長期視点で銀(シルバー)を保有する妙味について、筆者の考えを述べました。

今回より数回にわたり、2022年の原油相場を展望します。初回の今回は、「株と原油は「一蓮托生」の関係」として、2020年と2021年の株価と原油相場の推移を確認します。

以下のグラフの通り、米国の主要株価指数の一つであるNYダウと、世界の原油価格の指標の一つであるNY原油(WTI原油)先物の価格推移は、この2年間、「一蓮托生(いちれんたくしょう)」の関係だったと言えるでしょう。

株価が上昇すれば、景気回復期待が高まり、目先のエネルギー需要が増加する観測が浮上する。逆に、株価が下落すれば、景気回復期待が低下し、目先のエネルギー需要が減少する観測が浮上する。大局的にはこの2年間、このような事象が続いていたと言えそうです。

2021年秋ごろ、原油高が「インフレ懸念」を強め、株価を下落させている、と指摘される場面がありましたが、その後も、株高・原油高、株安・原油安、という状況が続いていることを考えれば、株と原油の主従関係は、あくまでも株が主で、原油が従だと言えます。

図:NY原油先物とNYダウの価格推移 単位:ドル/バレル


出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。