[Vol.1225] 金も原油も変動要因の多層化が進行

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。97.59ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,917.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年09月限は12,665元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。22年06月限は635.2元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1001.35ドル(前日比5.55ドル縮小)、円建てで4,066円(前日比1円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月26日 17時12分頃 6番限)
7,799円/g
白金 3,733円/g
ゴム 250.1円/kg
とうもろこし 57,050円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 7日午前8時59分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金も原油も変動要因の多層化が進行」

前回は、「市場環境は年々複雑化。流れには逆らえない」として、過去数十年間で生じた、コモディティ市場を取り巻く環境の変化ついて書きました。

今回は、「金も原油も変動要因の多層化が進行」として、過去数十年間で生じた、金(ゴールド)と原油市場を取り巻く環境の変化ついて書きます。

金(ゴールド)については、1960年代は政策が価格を決め、1970年代から1980年代は有事が、1990年代は株価動向が主な変動要因でした。この間は、比較的、価格動向を説明するのが簡単でした。

しかし、2000年代に入り、変動要因が多層化し始めました。足元、ドル高(主要テーマの1つ「代替通貨」起因の下落要因が発生していても)でも、金(ゴールド)相場は上昇しています。

原油については、1960年代は欧米のメジャーが価格を決め、1970年代から1980年代は産油国の政策と政情が主な変動要因でした。この間は、比較的、価格動向を説明するのが簡単でした。

しかし、2000年代に入り、変動要因が多層化し始めました。足元、OPECプラスが増産(主要テーマの1つ「産油国の政策」起因の下落要因)をしていても、原油相場は上昇しています。

図:コモディティ市場の状況:「金(ゴールド)」 主要な変動要因のみ掲載


出所:世界銀行のデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。