[Vol.1265] 「利上げ攻勢」で原油は下落

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。主要株価指数の反落などで。107.41ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。1,840.00ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年09月限は12,850元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年08月限は696.0元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで932.2ドル(前日比5.2ドル拡大)、円建てで4,009円(前日比74円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月27日 大引け 6番限)
7,930円/g
白金 3,921円/g
ゴム 259.0円/kg
とうもろこし 51,870円/t
LNG 4,150.0円/mmBtu(22年6月限 4月7日午前8時59分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「「利上げ攻勢」で原油は下落」

前回は、「金(ゴールド)投資、上級」として、投資リテラシーが上級の方になじむと考えられる、金(ゴールド)投資の商品を述べました。

今回は、「「利上げ攻勢」で原油は下落」として、この2週間の原油相場の変動に注目します。

この2週間、原油相場は大きく下落しました。下落の主な要因は、インフレを抑制すべく、複数の中央銀行が大幅な利上げを決定したことを受け、世界の景気動向が不安定化する懸念が生じ、それに伴い、原油需要が減少する観測が浮上したことです。

米国のほか、英国、EUも利上げを行う姿勢を鮮明にしました。いずれも金利の引き上げ幅が大きい規模であったことから、西側諸国が同じ方向を向いて「インフレ退治」に邁進(まいしん)していることが、改めて示されました。

一部の株式市場は下落で反応。利上げによって、企業や個人が資金を調達しにくくなり、景気が鈍化することが意識されました。なぜ西側の中央銀行たちは、景気鈍化を容認しつつ、利上げを強行するのでしょうか。

次回以降、ヒントを「原油市場」に見出しつつ、この問いについて筆者の考えを述べます。

図:主要銘柄の騰落率(2022年6月10日と24日を比較)


出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。