[Vol.1335] 中間選挙終了、金(ドル建て)反発起きる?

著者:吉田 哲
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原油反発。OPECプラス減産合意報道などで。88.59ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,719.20ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所) 国慶節のため休場。

上海原油(上海国際能源取引中心) 国慶節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで797.65ドル(前日比0.65ドル拡大)、円建てで3,857円(前日比21円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(10月7日 9時38分頃 6番限)
7,951円/g
白金 4,094円/g
ゴム 233.6円/kg
とうもろこし 50,500円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「中間選挙終了、金(ドル建て)反発起きる?」

前回は、「下落圧力、多くが『ドル高』由来」として、足元の主要国際指標(ドル建て商品)の材料を確認しました。

今回は、「中間選挙終了、金(ドル建て)反発起きる?」として、金(ドル建て)相場の目先の動向に関する筆者の考えを述べます。

筆者は現在発生している「ドル高」は、米国の中間選挙(11月8日。4年ごとの大統領選挙の間の年に行われ、上院議員の3分の1と下院議員の全議席が改選。複数の州で州知事選も行われる)のあとに、いったん、短期視点で、一巡すると考えています。

「中間選挙終了」→「選挙対策(インフレ退治)の温度感低下」→「利上げ一巡開始」→「ドル高是正開始」というシナリオを思い浮かべているためです。そしてその先にあるのが、「金(ドル建て)反発」です。

とはいえ、仮に「ドル高是正」がはじまったとしても、同時に「リスク縮小」や「株高」が起きていれば、有事ムード起因、代替資産起因で、これまでとは別の2階建ての下落圧力が発生している可能性もあり、注意が必要です。

金(ゴールド)市場の動向を短期視点で見る際は、「代替通貨(ドルの動向)」、「代替資産(株の動向)」、「有事ムード(リスクの強弱)」の3点を、まんべんなく注目する必要があると、筆者は考えています。

最近、「コモディティ(商品)総売り」のように報じられる機会が増えていますが、「ドル」の動向次第では、短期視点の反発が起きる可能性がある(特に金(ゴールド)は)と考えます。

図:NY金先物(期近)日足 終値 単位:ドル/トロイオンス
図:NY金先物(期近)日足 終値 単位:ドル/トロイオンス

出所:QUICKのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。