[Vol.1377] すでにカリ肥料の原料価格は暴騰中

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。71.71ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。1,801.45ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。23年05月限は13,215元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。23年02月限は507.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで793.05ドル(前日比6.15ドル拡大)、円建てで3,540円(前日比30円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月9日 18時16分頃 6番限)
7,837円/g
白金 4,297円/g
ゴム 229.8円/kg
とうもろこし 44,860円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足  単位:ドル/ブッシェル
シカゴトウモロコシ先物(期近) 日足  単位:ドル/ブッシェル

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「すでにカリ肥料の原料価格は暴騰中」
前回は、「単収伸び鈍化、肥料の供給減は食料危機要因に」として、化学肥料の輸出国とロシア、中国、ベラルーシからの輸入国について、述べました。

今回は、「すでにカリ肥料の原料価格は暴騰中」として、塩化カリウム価格の推移について、述べます。

以下のグラフのとおり、ウクライナ危機勃発を機に、化学肥料の一つであるカリ肥料の原料となる、塩化カリウムの価格が暴騰しています。

カリ肥料の供給については、ベラルーシがカナダに次ぐ世界2位、ロシアが3位で、ベラルーシとロシアに中国を合わせると、3カ国合計で世界の3割強を供給しています。

カリウムは鉱石から採取します。米国の政府機関USGS (米国地質研究所)のデータによれば、世界全体におけるカリウム鉱石の生産シェアは、ロシアとベラルーシ合わせて35.3%です。ロシアはカナダに次ぐ世界2位、ベラルーシが3位、中国は4位です。

化学肥料の価格高騰は、農産物を作る際にコスト上昇要因になり得ます。幅広い農産物の価格を底上げする要因として、今後も注視する必要があります。

図:塩化カリウム価格 単位:ドル/トン
図:塩化カリウム価格 単位:ドル/トン

出所:世界銀行のデータをもとに筆者作成

 

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このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。