[Vol.1400] 金(ゴールド)急上昇!株高でも金高

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反落。米主要株価指数の反落などで。79.11ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。1,917.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。23年05月限は13,010元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。23年03月限は542.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで851.5ドル(前日比2.3ドル拡大)、円建てで3,568円(前日比10円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(1月16日 16時45分頃 6番限)
7,875円/g
白金 4,307円/g
ゴム 223.6円/kg
とうもろこし 43,500円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金(ゴールド)急上昇!株高でも金高」
前回は、「『美しくて残酷な世界』それは市場も同じ」として、各種市場を取り巻く環境について、筆者の考えを述べました。

今回は、「金(ゴールド)急上昇!株高でも金高」として、NY金先物の価格推移を確認します。

足元、金(ゴールド)価格の上昇が目立っています。以前の「[Vol.1359] 『反撃の狼煙(のろし)』が出現!?」で「反撃の狼煙(のろし)」が上がったのではないか、と述べましたが、以下のグラフの通り、現時点でまさにそのとおりの値動き(反撃)になっています。

足元の金(ゴールド)価格上昇の背景は、「ドル安」です。今年に入り、「金(ゴールド)高・ドル安」がおきています。詳細は次回以降に述べますが、FRB(米国の中央銀行にあたる。米連邦制度準備理事会)が行ってきた「利上げ」の温度感が低下しつつあり、ドルが下落傾向にあります。

そのドルの下落を受け、「ほぼ世界共通のお金」という共通点を持つドル(現在、貿易で最も多く使われている通貨)と金(ゴールド 歴史的に多数の国で使われてきた通貨)の相対比較による「ドル安・金(ゴールド)高」が目立っています。

また、個人や企業が資金調達をしやすくなるなど、「利上げの温度感低下」は景気回復に寄与する側面をもつため、米国などで株高も起きています。「利上げの温度感低下」をきっかけに、「株高・金(ゴールド)高」が起きています。

図:NY金(ゴールド)先物の推移 単位:ドル/トロイオンス
図:NY金(ゴールド)先物の推移

出所:QUICKのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。