ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引量は約100~120トン。10月3日の価格はキロあたり35.85~37.45バーツ、RSS3号タイ主要港11月積価格は148.0~150.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、8月31日現在15,515トン(前旬比58トン減)。
8月下旬の入出庫は入庫962トン、出庫1,020トン。

◆展開予想

 先週来の上海ゴム下落は、中国ゴム取引大手企業が業務を停止するとのニュースがきっかけとなり、東京ゴムにも波及したようだ。今週は、上海ゴムが国慶節の為10月1日より休場となる中、東京市場は流動性が低下、売り圧力に押される展開で薄商いの中、年初来安値155.4円を割り込むと、一時154.3円まで下げ幅を拡大した。現物市場も東京安に追随し、下値を切り下げており、東京ゴムの下落を追認している。また、米国の製造業景況指数が悪化する等、米経済への不透明感が強まり、株安・円高傾向となっていることも下落要因の一つとなった。

 10月4日正午過ぎ現在RSS先限は154.5円前後、TSR先限は148.9円前後の取引。週の高値はRSS162.1円/TSR148.9円、週の安値はRSS154.3円/TSR148.9円。

 東京ゴム当先限は順鞘幅拡大、10月限以降は“受渡供用期限切れ”貨物が想定される中、順鞘幅がコスト見合いで足りない為に買いの動きが強まらず、むしろ価格の大幅下落を受けて買い方が手仕舞いの売りを迫られているように見える。現物価格は概ね160.0円程度であり、東京ゴムは“割安圏”ではあるが、期限切れ貨物を想定した場合はさらなる下振れもあり得るだろう。基本は戻り売り有利の展開となるが、上海市場が再開してからの市場動向を見極めてからでも遅くはないか。先限のレンジは150.0~165.0円を予想する。
 

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp