解禁後、5.5倍に増加した米国の原油輸出量

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反発。主要株価指数の強含みなどで。52.62ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,515.25ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム・上海原油は国慶節のため休場。

金・プラチナの価格差、ドル建てで626.05ドル(前日比6.65ドル拡大)、円建てで2,131円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(10月4日 18時42分頃 先限)
 5,170円/g 白金 3,039円/g 原油 35,370円/kl
ゴム 157.8円/kg とうもろこし 24,000円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「解禁後、5.5倍に増加した米国の原油輸出量」

前回は「エクアドル、なぜ今、OPEC脱退!?②」として、今月に入り、OPECに対し、2020年1月にOPECを脱退する意向を伝えたエクアドルの原油生産量について書きました。

今回は米国に目を移し、「解禁後、5.5倍に増加した米国の原油輸出量」として米国の原油輸出量について書きます。

以前の「日本が主要国で最もサウジ依存度が高い?」で、サウジの原油生産量が急減した場合、日本は米国を代替先にするのではないか?と書きました。

米国の原油輸出量は、以下のグラフのとおり、急増中にあります。

EIA(米エネルギー省)のデータによれば、2019年7月時点で、日量269万4000バレルです。

この量は、およそ40年ぶりに原油輸出が解禁になった2016年1月(日量49万バレル)に比べるとおよそ5.5倍です。

また、JODI(共同機構データイニシアティブ)も同月の輸出量を、EIAとほぼ同じ日量265万1000バレルとしています。

JODIのデータでは、同月の原油輸出量は、サウジ日量688万バレル(1位)、イラク日量400万2000バレル(2位)、カナダ日量327万5000バレル(3位)、その次に米国(4位)、その後には、クウェート日量199万1000バレル(5位)、ナイジェリア日量198万4000バレル(6位)と続きます。

輸出相手国を見ると、7月は東・東南アジア+インドがおよそ45%、それ以外がおよそ55%でした。“それ以外”の多くはカナダです。

両国間のエネルギー安全保障上、政治上、さまざまな理由から、米国が輸出を制限していた間も、カナダ向けの原油の輸出が行われてきました。

そして輸出解禁後、東・東南アジア+インドへの輸出拡大が主因となり、米国の原油輸出量が増大したわけです。

次回以降、相手国ごとの原油輸出量を書きます。

図:米国の原油輸出量 単位:千バレル/日量


出所:EIA(米エネルギー省)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。