ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は20~30トン。1月12日の価格はキロあたり55.90~56.53バーツ、RSS3号タイ主要港1月積価格は176.0~178.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、12月10日時点6,374トン(前旬比289トン増)。

 12月上旬の入出庫は入庫1,294トン、出庫1,005トン。

◆展開予想

 OSEゴムは上昇、上海ゴムは週明けこそは中国大手シャドーバンク破産の報を受けて大幅安となったが、週半ばから持ち直すと先週末水準まで値を戻す中、OSEは前半こそ中心限月が一時249.1円まで下落したが、週末にかけては期近限月から急騰し、中心限月は260円台を回復している。株式は日米共に上昇、米量的引締め減速観測や日銀の政策変更後ずれ観測が材料、ドル円は145円程度まで円安ドル高が進行している。

 1月12日引け時点のRSS6月限(中心限月)は260.6円、TSR4月限(中心限月)は223.0円。週の高値はRSS261.8円/TSR223.0円、週の安値はRSS249.1/TSR215.0円。

 現物価格は256円程に上昇、先物市場に比して上げ幅は限定的であった。上海ゴムは緩やかな在庫増加が続く中で逆鞘化しており、納会絡みの動きなのか需要背景なのかに注意したい。国内市場においても1-6番限が順鞘7.7円まで急速に縮小、期近限月に大口の買い気が見受けられたことは、来週以降も注意したい動きであった。国内在庫の増加基調は変わらないものの、今週の期近割安修正が新規需要によるものなのか単純なショートカバーによるものなのかで今後の展開に変化が出そうだ。来週以降も上海ゴムが堅調さを維持すればOSEゴムにも上値余地がでそうだが、明確な割高場面では売りも選択肢となるか。中心限月は250.0~275.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp