金相場見通し2024

　米国の「政治システムの機能不全は先進工業民主主義国の中で最もひどい」とし、大統領選挙がこの政治的分断を悪化させると指摘した。また、民主党と共和党の大統領候補者として有力視されているバイデン大統領、トランプ前大統領は、それぞれ高齢であること、訴追を受けていることなどから「大統領に不適格」と批判。

　米国はすでに世界の先進工業民主主義国家で最も分裂し、機能不全に陥っている。誰が勝ってもこの問題を悪化させるだろう。投票結果は五分五分であり、唯一確実なのは、米国の社会構造、政治制度、国際的地位が傷つけられ続けるということだと指摘したが、ここ数年続いている金の上昇の大きなテーマ（米国の覇権・基軸通貨ドルの揺らぎ）は、２０２４年も継続、より強く・大きくマーケットで意識されるだろう。

　中東における現在のガザでの戦闘は、２０２４年に拡大する紛争の第１段階に過ぎない可能性が高いとしている。エスカレートへの最も可能性の高い道は、イスラエルがヒズボラを攻撃する決断を下すことだと指摘しているが、既に年が明けて、イスラム組織ハマス幹部のサレハ・アルーリ氏がイスラエルによる攻撃で殺害されたのに続き、１月８日、ヒズボラは、イスラエル軍による無人機攻撃でタウィル司令官が殺害されたと発表。レバノンのヒズボラ指導者ナスララ師は、「われわれが沈黙することのできない重大で危険な犯罪だ」と警告。

　更に、イラン政府は１月３日、南東部ケルマンで同日起きた爆発の死者に関して、ライシ大統領は「テロによる犯罪行為」と非難する声明を発表。最高指導者ハメネイ師も声明で「イランの邪悪な敵が新たな大惨事を引き起こした」とし、厳しい対応を取ると警告している。