ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は1~10トン。4月5日の価格はキロあたり82.31~82.96バーツ、RSS号タイ主要港4月積価格は233.0~235.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、3月20日時点11,583トン(前旬比20トン減)。

 3月中旬の入出庫は入庫842トン、出庫862トン。

◆展開予想

 OSEゴムは反落、上海ゴムは清明節休場を控え小動きも連休前にわずかに売り優勢となる中、OSEゴム中心限月は週初こそ330円台を一時回復するも高値圏では売りが集まり320円台半ばまで値を切下げ、その後は小動きでの引けとなった。株式は大幅下落、FRBのタカ化警戒と中東情勢の緊迫化によりリスクオフムードが強まった模様、商品は貴金属・原油共に大幅上昇となり、白金以外は年初来高値を更新、ドル円は当局の介入とリスクオフムードの強まりを受け一時150円台後半まで円高ドル安が進行した。

 4月5日引け時点のRSS9月限(中心限月)は325.2円、TSR7月限(中心限月)は248.0円。週の高値はRSS332.6円/TSR252.0円、週の安値はRSS322.3円/TSR248.0円。

 現物価格は354円程に下落、成約量は多くないが週間を通じて弱い動きであった。上海ゴム在庫は増加、国内産ゴムが増加しており、来週以降は需要動向を確認し方向感を見極めたい。国内市場は逆鞘幅が再拡大しているものの、輸入採算比では期近限月の割安感が引続き強く、一定の買い需要がありそうだ。産地サイドでは例年に比べて値段が高止まりしていることから生産意欲は高まりそうな状況であり、減産期明けが早まる可能性を考慮したい。来週以降は休場明けの上海市場と現物市場動向に注意し、現物価格の下落が続くようであれば一旦は様子見に転じるのも一つだろう。中心限月は315.0~335.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp