[Vol.1717] 積立投資、価格が暴落したらどうなる?

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。82.77ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。2,328.80ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年09月限は14,045元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年06月限は645.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1377.5ドル(前日比18.70ドル縮小)、円建てで6,947円(前日比5円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(4月30日 16時46分時点 6番限)
11,683円/g
白金 4,736円/g
ゴム (まだ出来ず)
とうもろこし 42,000円/t
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「積立投資、価格が暴落したらどうなる?」
前回は、「突出した高騰劇を演じるココアとコーヒー」として、農産物価格の騰落率(2020年年初と直近を比較 米国の先物市場)、筆者の考えを述べました。

今回は、「積立投資、価格が暴落したらどうなる?」として、積み立てシミュレーション(2パターンの価格推移)について述べます。

仮に、以下の価格推移を演じる商品があるとします。暴騰パターンと暴落パターン、50年後にどちらの収益が大きくなるでしょうか。条件は、「積み立て」で取引すること(毎月1万円)、手数料は買付時に1.65%(税込)、分配金・配当なし、再投資せず、です。

暴騰パターンは、20年かけて5,000円上昇して1.5倍になり、次の20年はこの高値水準を維持。そして最後の10年間で3,000円上昇し、1万8,000円という100年前(1974年4月)の10倍以上の価格で取引を終えるパターンです。

暴落パターンは、20年かけて半値まで暴落します。次の20年はその安値水準で低迷し、最後の10年間で3,000円上昇するも、積み立て開始時よりも2,000円も安くなって取引を終えるパターンです。積み立て開始時の価格を一度も上回りません。

さて、どちらのパターンの収益が大きくなるのでしょうか。条件は、「積み立て」で取引をすることです。

図:積み立てシミュレーション(2パターンの価格推移) 単位:円/グラム
図:積み立てシミュレーション(2パターンの価格推移) 単位:円/グラム

出所:国内大手地金商のデータを基に筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。