[Vol.1720] 積立投資、価格が低迷したらどうなる?

著者:吉田 哲
ブックマーク
原油反発。米主要株価指数の反発などで。78.65ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,323.85ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。24年09月限は14,285元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。24年06月限は617.8元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1359.95ドル(前日比6.35ドル縮小)、円建てで6,771円(前日比4円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月7日 17時51分時点 6番限)
11,512円/g
白金 4,741円/g
ゴム 306.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス

出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「積立投資、価格が低迷したらどうなる?」
前回は、「積み立て効率化のコツ『暴落を利用する』」として、前回までの数回で述べた積み立てシミュレーション(2パターン)の累積保有数量について述べました。

今回は、「積立投資、価格が低迷したらどうなる?」として、筆者が考えた積立シミュレーション(3パターンの価格推移)について述べます。

仮に、以下の価格推移を演じる商品があったとします。暴騰パターンと暴落パターン、低迷パターン、50年後にどのパターンの収益が大きくなるでしょうか。条件は、「積立」で取引すること(毎月1万円)、手数料は買付時に1.65%(税込)、分配金・配当なし、再投資せず、です。

暴騰パターンは、20年かけて5,000円上昇して1.5倍になり、次の20年はこの高値水準を維持。そして最後の10年間で3,000円上昇し、1万8,000円という100年前(1974年4月)の10倍以上の価格で取引を終えるパターンです。

暴落パターンは、20年かけて半値まで暴落します。次の20年はその安値水準で低迷し、最後の10年間で3,000円上昇するも、積立開始時よりも2,000円も安くなって取引を終えるパターンです。積立開始時の価格を一度も上回りません。

低迷パターンは、そもそも1,000円からスタートします。40年間長期低迷を強いられたあと、最後の10年間でようやく上昇することが許され、4,000円で取引を終えるパターンです。さて、どのパターンの収益が大きくなるのでしょうか。条件は、「積立」で取引をすることです。

図:積立シミュレーション(3パターンの価格推移) 単位:円/グラム
図:積立シミュレーション(3パターンの価格推移) 単位:円/グラム

出所:国内大手地金商のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。