ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~5トン。5月9日の価格はキロあたり73.88~74.08バーツ、RSS号タイ主要港5月積価格は207.0~209.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、4月20日時点12,733トン(前旬比150トン増)。

 4月中旬の入出庫は入庫1,081トン、出庫931トン。

◆展開予想

 OSEゴムは反発、上海ゴムは休場明けから買いが優勢となり緩やかに上昇する中、OSEゴムも連動する形で安値から切り返すと中心限月は一時310円台を回復する場面があったものの、上海ゴムの伸び悩みを眺めて戻り売りに押されると上げ幅を削られたが前週対比プラス圏を維持して引けている。株式は欧米を中心に上昇、軟調な米経済指標を背景に米金利が低下し株式に資金が戻ったか。商品は貴金属・原油共に反発上昇、ドル安進行を好感した模様、ドル円はクロス円の円安進行もあって155円台半ばまで円安ドル高が進行している。

 5月10日引け時点のRSS10月限(中心限月)は306.2円、TSR8月限(中心限月)は255.0円。週の高値はRSS311.8円/TSR255.0円、週の安値はRSS298.8円/TSR253.0円。

 現物価格は324円程で取引も少なく横ばい推移となった。上海ゴムは材料難の中、わずかに在庫増加も週間ではじり高傾向であった。国内は当先の逆鞘幅が2.6円程まで縮小したが、国内在庫は前年同月水準まで回復していることから、買い手側が手仕舞いもしくは乗換に動いている可能性がある。現物市場は製品の取引がメインで原料の出回りは鈍く、動向の見極めには更なる時間が必要とみられ、OSEゴムの割安感は増しているものの無理に仕掛ける場面ではないだろう。他市場動向に連動する場面が増えていることから注意を払いつつ、レンジを意識して取引に臨みたい。中心限月は295.0~315.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp