[Vol.1731] OPECプラスは世界の半分を生産

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。78.05ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。2,420.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。24年09月限は14,835元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。24年07月限は605.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1355.6ドル(前日比9.40ドル縮小)、円建てで6,879円(前日比9円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(5月22日 18時37分時点 6番限)
12,176円/g
白金 5,297円/g
ゴム 327.4円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 6,300.0円/mmBtu(22年10月限 22年8月5日午前10時35分時点)

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「OPECプラスは世界の半分を生産」
前回は、「FRBはOPECプラスに影響できない」として、供給減少懸念と需要増加観測(一例)について述べました。

今回は、「OPECプラスは世界の半分を生産」として、OPECプラスの原油生産量について述べます。

OPECプラスの原油生産シェアは、およそ54%です(2024年3月)。2023年末にアンゴラがOPECを脱退したことを受けて、OPECプラスが危機に直面しているとの思惑が生じましたが、2023年12月の会合で2016年12月から始まった協力体制(彼らは自らをOPECプラスとは呼ばず「DoC(協力体制 Declaration of Cooperation)」と呼んでいる)を再確認したり、2024年4月のOPEC月報から従来のOPECとしてではなく、OPECプラスとして原油生産量の公表を始めたりして、連携を強めています。

彼らの原油生産量の推移は以下の通りです。2023年6月の会合で2024年12月まで実施することを決定した従来の減産に加え、自主減産(6月1日の会合で同月末までとしていた期限を延長するか決定する予定)を行っています。

高い生産シェアを裏付けとした発言力を活用し、需給バランスを緩めないように、原油価格を高止まりさせられるように、細心の注意を払いながら生産活動を行っていると考えられます。

図:OPECプラスの原油生産量(アンゴラ含む) 単位:百万バレル/日量


出所:OPECの資料およびブルームバーグのデータより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。