ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は0~20トン。6月14日の価格はキロあたり81.22~81.79バーツ、RSS号タイ主要港7月積価格は222.0~224.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、5月20日時点12,356トン(前旬比239トン減)。

 5月中旬の入出庫は入庫528トン、出庫767トン。

◆展開予想

 OSEゴムは急反落、上海ゴムはEUの中国製EVへの関税引上げ表明によるゴウ需要減少懸念を受けて買い持ちの高の整理が進行、週末にかけては一段安となり中心限月は15,240元まで値を切下げる中、OSEゴムにも売りが波及し中心限月は週間安値である338.3円での引けとなった。株式は米国株が最高値更新、米追加利上げ観測が後退し金利が低下する中でハイテク株優位の展開となった形、商品は貴金属反落も原油は反発、ドル円は日銀の国債買入減額先送りを受けて一時158円台をつける等、円安ドル高が進行した。

 6月14日引け時点のRSS11月限(中心限月)は338.3円、TSR9月限(中心限月)は279.0円。週の高値はRSS360.9円/TSR293.0円、週の安値はRSS338.1円/TSR279.0円。

 現物価格は351円程に大幅下落、原料成約量は少ないことから先物下落を受けて在庫調整売りが入ったか。上海ゴムは在庫が小幅減少も5月自動車販売は前月比プラスも生産はマイナスとさえない状況の中、EUの関税引き上げが先行き不安を招いている。国内は下落局面で逆鞘が進行、期近は現物対比での割安感から買い気がある一方で期先限月は上海見合いの売りが集まった。主要産地では供給面の増加は依然として緩やかであり、上海主導の急落なため、国内の割安感は増しているものの、季節的には産地からの供給増加時期が近づいており、押し目買い方針は維持しつつも慎重に取引を進めたい。中心限月は325.0~345.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp