ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は10~20トン。6月21日の価格はキロあたり73.88バーツ、RSS号タイ主要港7月積価格は214.0~216.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、5月20日時点12,356トン(前旬比239トン減)。

 5月中旬の入出庫は入庫528トン、出庫767トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅続落、上海ゴムは続落スタートも週半ば以降は下げ幅を縮小する中で、OSEゴム中心限月は週前半に330円台を割込み、一時323.8円まで値を切下げた後に一時的に330円台を回復する場面もあったが週末にかけては戻り売りに押され320円台後半で引けている。株式は米国中心に市場最高値圏で推移、米では年内2回の利下げ見込む向きが多く米金利上昇が抑制されていることがプラス要因、商品は貴金属・原油とも堅調に推移、ドル円は一時159円台まで円安ドル高が進行している。

 6月21日引け時点のRSS11月限(中心限月)は327.5円、TSR9月限(中心限月)は274.0円。週の高値はRSS339.2円/TSR279.0円、週の安値はRSS323.8円/TSR274.0円。

 現物価格は342円程まで大幅下落、原料価格の値下がりが製品売りにつながったようだ。上海ゴムは在庫が増加し需要減少懸念がくすぶる中で戻りは限定的であった。産地では製品価格の急速な下落が起きており、数量的な供給増は確認できていなものの原材料供給が増加している可能性がある。国内市場は下落しつつ逆鞘化が継続、輸入採算比では割安な当月は相対的に堅調であった。今週は産地価格変動が先物市場に影響を及ぼしたとみられ、来週はこれまで以上に注意が必要、供給環境が大きく変化する場合は今後の価格見通しを変更しなければならない可能性もあるだろう。中心限月は320.0~340.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp