週刊石油展望

著者:児玉 圭太
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 先週末のWTI原油は前週比0.11ドル高の82.28ドル、ブレント原油は1.18ドル高の86.88ドルとなった。

 前週末の海外原油は反落。S&Pグローバルが発表した6月のユーロ圏PMIが予想を下回ったことでユーロ圏内の景気先行きに警戒感が広がり、ユーロ安ドル高に振れたことが重しとなった。

 週明け24日は反発。米国で石油需要の増加期待が高まっていることが支えとなったほか、中東情勢の緊迫化が支えとなり堅調に推移し、またドル安進行などもが支えとなった模様だ。25日は一転して反落となる。米消費者信頼感指数が軟調な内容となり、石油需要の減少懸念が高まったことが重しとなり軟調な推移となった。また、FRB高官から利下げに慎重な姿勢が示され、ドル高進行したことも嫌気された。26日は、夏場に向けたガソリン需要の増加期待が支えとなったほか、ヒズボラとイスラエルとの緊張感の高まりを受けて地政学リスクが意識されていることが支えとなり堅調な推移となった。一方で、ドル高が進行したほか、EIA統計において原油在庫が予想外に増加したことが嫌気され、結果的には小反発で引けている。27日は、引き続き中東情勢の悪化懸念が支えとなったほか、米GDP確報値で個人消費が下方修正され、また長期金利が低下したことからドル安進行したことも好感され、東京時間でも堅調な推移を引き継ぎ上げ幅を拡大する展開となった。

NY原油チャート
出所:みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート

 引き続き、イスラエルとヒズボラの争いで中東全域での緊迫感/警戒感が強まっており、下値を追うの展開は想定しにくくなっている。仮にイランを巻き込んで実際に供給懸念が浮上した場合は、一気に噴き上げる可能性も考えられる。テクニカル面で見ても、82ドル台半ばまでは見込まれ、突破すれば一段高となりやすい。もみ合い~やや強含み相場が継続し、材料的に下値は堅く、押し目は買われやすいだろう。

 

 

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このコラムの著者

児玉 圭太(コダマ ケイタ )

国際法人部主任として国内商社や地場SS等を担当。
需給動向や石油現物価格などをもとに相場分析を行います。静岡出身。