ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は5~10トン。8月23日の価格はキロあたり76.32バーツ、RSS号タイ主要港9月積価格は234.0~236.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、7月31日時点7,563トン(前旬比661トン減)。

 7月下旬の入出庫は入庫600トン、出庫1,261トン。

◆展開予想

 OSEゴム3週続伸、上海ゴムは中国当局が先週末に個人のEV乗換購入補助金倍増を表明したことで需要増加期待が価格を押し上げる中、OSEゴムは国内在庫の減少を背景にした売り方の買戻しや新規買いを集めて値を切り上げると、中心限月は一時351.6円まで上昇する場面があった。株式は横ばいから上昇、米9月の利下げが確定的になる中でリスク選好が回復し市場全体が落ち着いた値動きとなった。商品は貴金属・原油ともドル安環境下でも買いが入らず弱含み、ドル円も米金利低下の影響もあって146円前後まで円高ドル安が進行した。

 8月23日引け時点のRSS1月限(中心限月)は349.1円、TSR11月限(中心限月)は263.0円。週の高値はRSS351.6円/TSR263.0円、週の安値はRSS326.3円/TSR259.0円。

 現物価格は343円程まで上昇、取引量は減少も先物価格に連動し値を切り上げている。中国当局のEV補助金増額はEUによる追加関税の悪影響を国内需要喚起で緩和する意図もあるとみられ、自動車買換え需要の前倒しにつながりそう。産地では降雨傾向の中、消費地価格上昇を受けた現物買いニーズが価格を押し上げている。OSEゴムは継続的な在庫減少を受けて売り方が買戻しを迫られており、割安感は先週比で減少したものの新規入着を呼び込む水準には達しておらず、目先は上振れに警戒が必要だろう。短期的には押し目買い方針を維持するものの、他市場動向を踏まえながら上値追いにも注意が必要だろう。中心限月は340.0~360.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp