ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は10~20トン。8月30日の価格はキロあたり82.05~82.82バーツ、RSS号タイ主要港9月積価格は255.0~260.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、8月10日時点7,002トン(前旬比561トン減)。

 8月上旬の入出庫は入庫394トン、出庫955トン。

◆展開予想

 OSEゴムは4週続伸、上海ゴムは新規材料こそないものの買戻しと新規買いに支えられて一代高値を更新する中で、OSEゴムも同様の形で上げ幅を拡大すると中心限月は一時380.3円まで値を切り上げたが、上海・OSEゴム共に週末前の利益確定売りに押されて一部上げ幅を削った。株式は横ばいから上昇、堅調な米GDPもあり全体としては買い優勢、商品は米金利上昇・ドル高の影響により貴金属・原油とも横ばいから下落方向で冴えない展開、ドル円は143円台後半から切返すと145円台前半まで円安ドル高が進行した。

 8月23日引け時点のRSS2月限(中心限月)は375.6円、TSR12月限(中心限月)は268.0円。週の高値はRSS380.3円/TSR268.0円、週の安値はRSS350.0円/TSR263.0円。

 現物価格は374円程まで上昇、取引量が増加しながら値を切り上げている。上海ゴムは引続き在庫が増加する中で目先のポジション調整に一服感があり今後は需給動向の確認が必要だろう。産地では今週来週共に降雨が続いており、本格的な増産にはまだ時間がかかりそう。OSEゴムは在庫減少警戒が今週の動きの発端となったが、10月限以降は輸入採算近傍からそれを下回る水準にあり新規入着を呼び込むにもう一段のプレミアム加算が必要だろう。上海ゴム・産地価格の下落・値下がりが明確になる場合は見方の変更が必要になるが、目先は押し目買い方針を維持したい。中心限月は360.0~390.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp