ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は10~20トン。8月30日の価格はキロあたり82.05~82.82バーツ、RSS号タイ主要港10月積価格は247.0~252.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、8月10日時点7,002トン(前旬比561トン減)。

 8月上旬の入出庫は入庫394トン、出庫955トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅下落、ゴム市場全般に新規材料はないものの現物市場に一定の売りが入ると上海ゴム、OSEゴム共に高値から下落に転じ、買い方の利益確定売りに押されて下げが加速、OSEゴム中心限月は一時245.3円まで売り込まれるなど、先週末高値から30円強の大幅安となった。株式は下落、米のさえない経済指標を受けて景気減速懸念が強まりハイテク系中心に売りが強まった格好、商品は金以外が軟化も週後半には下げ渋りを見せ一部は反転、ドル円は米金利低下の影響を受けて142円台前半まで円高ドル安が進行している。

 9月6日引け時点のRSS2月限(中心限月)は349.8円、TSR12月限(中心限月)は256.0円。週の高値はRSS378.7円/TSR264.0円、週の安値はRSS345.3円/TSR256.0円。

 現物価格は355円程に下落、月替わり以降から売り物が散見されるが先物対比の下げ幅は限定的。上海ゴムは引続き在庫増加傾向の中、来週発表の自動車関連統計までは特段の材料に欠け、産地では引続き降雨の影響により本格的な増産と供給増加には時間がかかるだろう。OSEゴムは全限月に満遍なく売りが入り逆鞘幅縮小となったが、再度輸入採算を下回る割安圏まで値を沈めており新規の入着が見込みづらくなったことで低在庫環境が継続し価格上昇リスクがくすぶり続けるだろう。その上で輸入採算を上回る状態になり、新規の入着が見込まれる段階までは慎重に押し目買い方針を維持したい。中心限月は340.0~380.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp