週刊石油展望

著者:児玉 圭太
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 先週末のWTI原油は前週比2.30ドル高の71.80ドル、ブレント原油は2.33ドル高の74.81ドルとなった。

 前週は投機筋が久しぶりに売り越しに回った結果、21年来久しぶりにブレント原油で70ドルを割り込む格好となった。

 先週は米FOMCが金利を想定幅上限の0.5ポイント金利を下げたほか、年内更に0.5ベーシスポイントの利下げを示唆したことからドル安進行し、商品相場の下支えとなった。その動きにつられ先週まで売られすぎた原油先物は週末75ドル近辺まで値を戻す格好となった。これはほぼ直近上値と下値の半値戻しの水準だ。強気材料はドル安、中東情勢、OPECの減産継続、低水準なアメリカクッシング在庫。弱気材料は依然弱い中国経済、想定程伸びない原油需要があげられる。先週下落した欧州中間油種のクラックは若干持ち直したが、ウクライナ侵攻以来最低水準レベルとなっている。


出所:みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート

 原油市場は売られすぎの水準から値を戻したが、市場はある程度ドル安を織り込んだことから上値は重くなりそうか。先週の70ドル割れは投機筋の売り過ぎが原因だった。先週はFRBの大幅利下げなども好感され買い戻しが進んだが、よほどの強気材料がない限り需要の弱さが意識され再度70ドルを目指す展開が想定されそうだ。

 

 

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このコラムの著者

児玉 圭太(コダマ ケイタ )

国際法人部主任として国内商社や地場SS等を担当。
需給動向や石油現物価格などをもとに相場分析を行います。静岡出身。