10月のタイの金需要回復

著者:近藤 雅世
 11月18日付のGFMSのレポートによれば、タイの金消費量は、本格的回復にはまだほど遠いが、9月の高価格による金需要の減少からは少し回復してきたという。宝飾品店はこのところ手持ちの宝飾品を売却して新たな仕入れは行っていなかったが、ここにきてようやく在庫補充の動きが出てきた。

 第3四半期(7月~9月)は金価格が高くなり、9月初めのタイの「ゴールド・バーツ・バー(バーツ・バーはタイ独自の重量単位)」の価格は、23,000バーツ(約8万2,693円)と2016年8月以来3年ぶりの高値となった。チャイナタウンの宝飾品店は、以前に購入した金の宝飾品を売却しに来る人であふれて返った。そのため、金のスクラップ発生量は過去最高に近くなった。

 新規の宝飾品の売れ行きは止まったが、古い宝飾品の仕入れが増えたため、第3四半期のタイの金輸入量は34トンと前年同期に比べて▲70%も減少した。一方で金製品の輸出量は72トンを超えて前年同期の24トンを+237%増と大幅に上回った。

 第3四半期の金宝飾品のタイ国内需要は前年同期比▲14%減であった。この結果上半期の輸出量は152トンと前年比+88%増となり、ネットでは13トンの出超であった。輸出先はスイスオーストラリア、シンガポール等であった。

 ただ、9月の金輸入量は、15トンに増加し、輸出量は8月の34トンから11.5トンに減少した。9月に続いて10月の金価格はまだ高かったが、11月に入って少し下落し、今後金価格が更に下落すれば金の需要は回復してくると期待されている。

このコラムの著者

近藤 雅世(コンドウ マサヨ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。商品ファンドを日本で初めて作った一人。2005年末株式会社フィスココモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンスを設立。代表取締役社長就任。
URL:http://commi.cc/ eメール:kondo@commi.cc

日本経済新聞に商品先物取引の解説を執筆
大阪取引所の北浜投資塾に金の基礎知識掲載
大阪堂島商品取引所にトウモロコシの基礎知識掲載