週刊石油展望

　先週末のWTI原油は前週比0.27 ドル高の70.52ドル、ブレント原油は1.29ドル安の73.16ドルとなった。

　前週末の海外原油は、ガザ停戦交渉が再開されたことで手仕舞い売りも出たが、イスラエルがガザやレバノンで攻撃を続けていることから、引き続き地政学リスクが意識される展開となった。

　先週はイスラエルのイランへの報復攻撃が完了しイランの核施設及び原油施設に攻撃がなかったことからブレント原油は週前半に70㌦台まで6ドル下落した。しかしながらOPEC関係者が12月以降の増産延期に言及したことから上昇を開始した。加えて米国原油在庫が減少していたことから下値は切り上がった。その後、イラクのイラン支援組織がイスラエル攻撃を行うとイスラエル諜報機関が発表したことから週末続伸しブレント原油はチャート上のギャップ76.17を埋めるに至った。


出所：みんかぶ先物WTI原油先物複合チャート

　イラクの新イラン派の攻撃がイスラエルに対して行われるようであると報復の連鎖が予想され、その場合はブレント原油は再度80㌦～90㌦のレンジに切り上がることが考えられる。但しリスクの高い行動にイランが踏み切るかは疑問であるため、目立った動きがなければ、まずはアメリカ大統領選を控えてポジション整理が進み、現状レベルの75ドルを挟んだ値動きが予想されるが、結果発表前後の急変動には注意したい。