ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は20~30トン。11月1日の価格はキロあたり70.59バーツ、RSS号タイ主要港12月積価格は236.0~240.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、10月20日時点6,484トン(前旬比211トン減)。

 10月中旬の入出庫は入庫681トン、出庫892トン。

◆展開予想

 OSEゴムは反発、上海ゴムは当局による財政政策期待を背景に上昇し中心限月は18,000元の大台を回復する中で、OSEゴムにも連動した買いが入り中心限月は一時379.9円まで上げ幅を拡大したが、週末を控えて戻り売りに押されると、360円台後半まで上げ幅を縮小した。株式は米国が上昇しその他はまちまち、トランプ大統領への期待と対外政策への不透明感が明暗を分けた格好、商品は貴金属がドル高の影響もあり下落する一方、原油は反発、ドル円は152円台後半と前週末比では円安ドル高が進行している。

 11月8日引け時点のRSS4月限(中心限月)は367.3円、TSR2月限(中心限月)は311.0円。週の高値はRSS379.9円/TSR311.0円、週の安値はRSS345.0円/TSR299.0円。

 現物スポット価格は363円程まで大幅上昇、在庫整理売りが一巡し反発基調に転じた。上海ゴム在庫は増加、来週は期待される財政政策内容に加え需要動向を確認したい。タイでは増産期を控え8億バーツの価格下支え策を決定、需給緩和抑制に一定の効果が期待できるだろう。OSEゴムは指定倉庫在庫が更に減少する中で、当先限は再度逆鞘に転換、先週に比べ割安感は薄れたものの輸入採算は下回る水準と言えよう。来週の現物価格はこれまでに比べ安定的に推移すると考えるが、中国市場は変動率が高まる展開を想定。上海ゴムは期待先行の買いが優勢とみられる分、失望・下振れリスクに警戒したい。その上で、現物価格を踏まえてレンジを設定しながら臨機応変な対応を心掛けたい。中心限月は345.0~380.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp