ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は30~40トン。11月15日の価格はキロあたり70.00バーツ、RSS号タイ主要港12月積価格は227.0~231.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、10月31日時点6,843トン(前旬比359トン増)。

 10月下旬の入出庫は入庫1,466トン、出庫1,107トン。

◆展開予想

 OSEゴムは大幅反落、上海ゴムは中国の財政政策が景気刺激に繋がらないとの見方から失望売りが広がって18,000元を割込むと、OSEゴムにも売りが波及し中心限月は一時340.0円まで売り込まれたが、上海ゴムの下げ止まりと円安進行もあって下げ幅を縮小、350.0円で引けている。株式は米国高・その他安、今週も“トランプトレード”の動きで米長期金利上昇・ドル高が継続、米国に資金が集中した格好か、商品はドル高の影響を受けて貴金属・原油とも下落、ドル円は一時156円台半ばまで円安ドル高が進行した。

 11月15日引け時点のRSS4月限(中心限月)は350.0円、TSR2月限(中心限月)は295.0円。週の高値はRSS370.2円/TSR306.0円、週の安値はRSS340.0円/TSR295.0円。

 現物スポット価格は357円程まで下落、週前半は上昇も後半は先物安の影響を受けて下落に転じた。上海ゴム在庫は減少、中国10月自動車生産・販売は前月比増加に転じそれを反映したか。産地では天候が回復傾向にあり現物の成約量は増加傾向にある。OSEゴムは指定倉庫在庫が2,000トン台前半まで減少も鞘面では期近の流動性低下により大きな変化はない。来週は上海ゴムが下げ止まり・反発に向かうかが焦点、例年通りであれば自動車生産・販売が年末に向けて加速し需要増・在庫減少が徐々に進行する一方、需要が低迷した場合は一定の反発を挟みながら値を切下げる展開となろう。OSEゴムは引続き輸入採算を下回っており、割安幅が拡大する場面では押し目買いを検討し、割安幅縮小時は利益確定に動きたい。中心限月は330.0~370.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp