ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は20~30トン。11月22日の価格はキロあたり70.50バーツ、RSS号タイ主要港12月積価格は225.0~233.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、10月31日時点6,843トン(前旬比359トン増)。

 10月下旬の入出庫は入庫1,466トン、出庫1,107トン。

◆展開予想

 OSEゴムは反発、週明けの上海ゴムは押し目買いが優勢となり反発すると、OSEゴムにもショートカバーとみられる買いが入って一時は370円台を回復したが、週末にかけ中国当局による在庫放出の噂から上海ゴムが大幅安となる中でOSEゴムも戻り売られ、350円台半ばまで上げ幅を縮小した。株式は米国高・その他安が継続も今週は堅調な米景気やFRBの利下げペース鈍化観測に材料が変化、商品はドル高進行にもかかわらず貴金属・原油共に上昇、ドル円は日銀12月利上げ確率が上昇し154円台まで円高ドル安が進行している。

 11月22日引け時点のRSS4月限(中心限月)は356.5円、TSR2月限(中心限月)は292.0円。週の高値はRSS370.4円/TSR301.0円、週の安値はRSS342.8円/TSR289.0円。

 現物スポット価格は254円程に下落、週前半は上昇も後半は先物安・円高の影響で下落に転じた。上海ゴム在庫は期限切れが一掃され15万トン強減の9万トンまで大幅に減少、徐々に新規入着が入るとみられるが動向に注意したい。OSEゴムは指定倉庫在庫が2,000トン強まで減少し当先の逆鞘幅拡大要因となったか。産地では徐々に天候が安定化してきており今後生産量の増加に向かうとみられる。OSEゴムは今週の上昇を受けて産地対比での割安感が概ね解消、新規入着につながるかは不透明だが、割高感が強まる場合は新規入着可能性が高まるだろう。目先は割安感が強まる場合以外は買いづらい状況となっており、他市場動向次第では新規売りも視野にいれながら取引に臨みたい。中心限月は340.0~370.0円を予想する。

ゴムチャート
出所:みんかぶ先物ゴム(RSS3)先物複合チャート

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp