[Vol.1922] 優等生すら価格上昇に追い込まれている

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。67.54ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドル指数の反落などで。2,928.34ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年05月限は17,665元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。25年04月限は521.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで1962.94ドル(前日比33.74ドル拡大)、円建てで9,533円(前日比83円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月4日 18時05分時点 6番限)
14,066円/g
白金 4,533円/g
ゴム 359.3円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 2,119円/mmBtu(25年5月限 2月28日18時23分時点)

●NY原油先物 月足  単位:ドル/バレル
NY原油先物 月足  単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「優等生すら価格上昇に追い込まれている」
前回は、「コメ価格、急騰中、1年間で1.6倍超に」として、国内産コシヒカリの小売価格(都道府県庁所在地平均)税込を確認しました。

今回は、「優等生すら価格上昇に追い込まれている」として、東京都区部の生鮮食品などの価格変動率を確認します。

価格の上昇率がコメを上回る品目があります。以下の図のとおり、キャベツ、レタス、はくさい、ブロッコリーなどの多くの生鮮食品の価格が、5年前を大きく上回っています。

価格動向が外部環境に左右されにくいという例えである「物価の優等生」とされる卵(鶏卵)の価格も1.2倍強になっています。その他、スーパーマーケットで価格がなかなか上昇しないと認識されてきた牛乳やカット野菜、もやしの価格までも、上昇しています。

鶏卵、牛乳、カット野菜、もやしの価格は、2022年後半ごろから、上昇が目立ち始めました。ウクライナ戦争が勃発した年以降、物価の優等生たちは優等生の色を薄めてしまったことが分かります。

図:東京都区部の生鮮食品などの価格変動率 2020年1月と2025年1月を比較
図:東京都区部の生鮮食品などの価格変動率 2020年1月と2025年1月を比較
出所:総務省統計局のデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。