豪州と日本の金の精製業者

著者:近藤 雅世
 豪州の金の精製業者はパースミントとABCリファイナリーだということをGFMSの記事で知った。

 世界第二位の金生産国豪州では、西側の鉱山から採掘する金鉱石はパースミントが溶解し、東側はABCリファイナリーが精製しているという。近年官営のパースミント(ミントとは造幣局という意味でパースミント社はパース州の官営企業である)より、民間企業のABCリファイナリーの方が経営者が若くて積極的な展開をしており、アジア諸国からの金鉱石や金のスクラップを収集して、シェアを伸ばしていると言う。

 これを読んでいて日本の金の精製業者について思いを馳せた。日本の貴金属精製業者としては、田中貴金属工業の名前がすぐに上がるが、実は精製業者は日本にはたくさんある。有名どころでは神田の徳力本店、石福金属興業であるが、このほかにも日暮里に井島貴金属精錬があり、井嶋金銀工業と共に老舗の一つである。

 筆者が商社時代には新宿の松田産業や狭山の小島化学薬品、プラチナでは大塚のフルヤ金属、上野の水野ハンディ―ハーマンなどとも取引があった。すべて日本金地金流通協会のメンバーであり、この協会員名簿には23社の会員企業が掲載されていた。

 フルヤ金属は以前は山梨の小さな宝飾品加工会社であったが、プラチナを中心とした工業用貴金属加工に進出し、今では東京証券取引所に上場し、半導体製造用の「るつぼ」や「スパッターリングターゲット」では田中貴金属工業と並ぶ日本のトップメーカーとなっている。

このコラムの著者

近藤 雅世(コンドウ マサヨ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。商品ファンドを日本で初めて作った一人。2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンスを設立。代表取締役社長就任。 URL:http://commi.cc/ eメール:kondo@commi.cc