[Vol.1996] 長期視点では、金・原油ともに高止まりか

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。74.04ドル/バレル近辺で推移。

金反落。米10年債利回りの反発などで。3,372.50ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年09月限は13,900元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年08月限は566.6元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2081.4ドル(前日比13.60ドル縮小)、円建てで10,123円(前日比39円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月20日 18時15分時点 6番限)
15,779円/g
白金 5,656円/g
ゴム 295.0円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY原油先物 日足  単位:ドル/バレル
NY原油先物 日足  単位:ドル/バレル
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「長期視点では、金・原油ともに高止まりか」
前回は、「金(ゴールド)も短期的な反発」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマ(2025年6月時点)を確認しました。

今回は、「長期視点では、金・原油ともに高止まりか」として、2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景を確認します。

今回の中東情勢の悪化の一因を「世界分断」とした図が以下です。「戦争勃発・悪化」の一因に世界分断があり、その世界分断は、世界の民主主義の停滞によって起きていると考えられます。

世界の民主主義の停滞は、長期視点の根深い要因で発生していると考えられます。このため、世界の民主主義の停滞は長期化し、それにより世界分断も長期化する可能性があります。

金(ゴールド)も原油も、この世界分断をきっかけとしたさまざまな影響を受け、価格が長期視点で支えられると筆者は考えています。

今、「戦争」という目に見えやすい材料が目立っている時だからこそ、世界分断や民主主義の停滞の原因である根深い要因という、目に見えない材料に目を配る必要があると筆者はみています。

図:2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景
図:2010年ごろ以降の世界分断と高インフレ(長期視点)の背景
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。