[Vol.1995] 金(ゴールド)も短期的な反発

著者:吉田 哲
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原油反落。米主要株価指数の反落などで。73.33ドル/バレル近辺で推移。

金反落。ドル指数の反発などで。3,397.10ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。25年09月限は13,985元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。25年08月限は564.3元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで2058.7ドル(前日比29.00ドル縮小)、円建てで9,992円(前日比308円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(6月19日 9時58分時点 6番限)
15,846円/g
白金 5,854円/g
ゴム 308.2円/kg
とうもろこし (まだ出来ず)
LNG 1,799円/mmBtu(25年8月限 5月27日15時39分時点)

●NY金先物 日足  単位:ドル/トロイオンス
NY金先物 日足  単位:ドル/トロイオンス
出所:MarketSpeedⅡより筆者作成

●本日のグラフ「金(ゴールド)も短期的な反発」
前回は、「原油は急反発によって元のレンジに戻った」として、足元の原油相場を取り巻く環境(2025年6月)を確認しました。

今回は、「金(ゴールド)も短期的な反発」として、金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマ(2025年6月時点)を確認します。

海外と国内の金(ゴールド)相場の推移を確認すると、現在も、2010年ごろから発生した長期視点の上昇トレンドが継続していることが分かります。

以下の図のとおり、今回の中東情勢の悪化によって強まっている「有事ムード」も、株価が急反落した際に集まる「代替資産」需要も、短中期的な材料だと考えられます。

中東情勢の悪化が継続すれば、今後もこれらの材料がもたらす上昇圧力を受け、金(ゴールド)相場は、短期的に上値を伸ばし、その結果、国内・海外ともに史上最高値を更新する可能性があると筆者は考えています。

とはいえ、「有事ムード」も「代替資産」も、情勢の変化を受けて短期的な下落圧力をもたらす材料になることもあります。ただし、中長期の「中央銀行」、超長期の「世界分断」は、今後も長期視点の上昇圧力をかけ続けると筆者は考えています。

図:金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマ(2025年6月時点)
図:金(ゴールド)の国際相場に関わる七つのテーマ(2025年6月時点)
出所:筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。超就職氷河期の2000年に、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして活動を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。「過去の常識にとらわれない解説」をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで幅広く、情報発信を行っている。大学生と高校生の娘とのコミュニケーションの一部を、活動の幅を広げる要素として認識。キャリア形成のための、学びの場の模索も欠かさない。