“美しくない”追加減産の実態 スクラム禁止、記者会見キャンセル

著者:吉田 哲
原油(WTI先物)反落。主要株価指数の反落などで。58.77ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,468.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年05月限は13,230元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。20年02月限は466.7元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで562.9ドル(前日比3.5ドル縮小)、円建てで1,940円(前日比6円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(12月10日 18時3分頃 先限)
 5,104円/g 白金 3,164円/g 原油 40,000円/kl
ゴム 197.8円/kg とうもろこし 23,370円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「“美しくない”追加減産の実態 スクラム禁止、記者会見キャンセル」

今回は「“美しくない”追加減産の実態 スクラム禁止、記者会見キャンセル」として、同会合において、OPECプラスのメディア対応における“美しくなかった”点を書きます。

以下の資料は、一連の会合の進行における予定と実際を示しています。会合はもウィーン(オーストリア)のOPEC本部で行われました、

異例にも、OPEC総会後の記者会見がキャンセルされました。

OPEC総会が行われた1日目(12月5日)は、午前中にJMMCが行われましたが、もともとこのJMMCは前日の12月4日(水)に予定されていたものでした。

JMMCがOPEC総会と同日になりスケジュールがタイトになった、それに加えて、サウジとロシアの大臣がJMMCの前にホテル会談をし、それが長引き、そして遅れて始まったJMMCも長引き、さらに遅れて始まったOPEC総会も長引き、“夜が遅くなったため”、記者会見がキャンセルされた、という流れです。

また、今回はscrum(スクラム)と呼ばれる囲み取材が禁止されたとのことです。これはOPEC総会のおきまりのもので、会合が始まる前の時間帯に、会議室内で着席している(国ごとに要人が座る席が決まっている)各国の要人をメディアが取り囲んで行う取材です。

さらに、本部の建物に出入りする際や、JMMC後にOPEC総会の会場に移動する際の要人へのぶら下がり取材でも、多くが口を閉ざしていたとの話もあり、全体的には、緘口令(かんこうれい=口止め)が敷かれていたという印象を受けます。

緘口令、そして前回述べた“美しすぎる追加削減の動機”。何か、隠したいことがあったのではないか? と勘繰りたくなるのは、筆者だけではないはずです。

以前の「日量50万バレル追加減産は追加になっていない!?」で述べた50万バレルの追加減産が現状の追認であることに加え、このようなメディアへの対応も“美しくなかった”点と言えます。

図:2019年12月に行われた一連の会合の進行における予定と実際
2019年12月に行われた一連の会合の進行における予定と実際

出所:各種報道をもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。